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虐待父が“余命300日”に。「長生きなんてしなくていい」“介護から逃げる方法”を模索する一人娘が下した決断は…【漫画】

家族という名の鎖に縛られ、弱った親を介護する。ふと心に忍び寄るのは、虐待をしてしまいたいと思うほどの負の感情ーー。 上記のシチュエーション、まったくピンと来ない人も多いだろう。しかし、いざ介護をすることになった肉親が、日常的に暴力をあなたに振るっていた「毒親」だとしたら? 『余命300日の毒親』(KADOKAWA)は、がんで余命1年と宣告された「毒親」の父に、一人娘のヒトミが介護から逃げる方法を模索することから始まる。親子関係と介護のリアルを描いたセミフィクションコミックだ。 同作品の著者である枇杷かな子さんに、作品内で意識して描いたことや、ストーリーを通して伝えたいことを聞いた。
余命300日の毒親

父が余命宣告を受け、壮絶な介護生活が幕を開ける

毒親介護は、虐待へシフトする危険性がある

ーー「余命300日の毒親」発刊後、読者の方からどのような反響がありましたか? 枇杷かな子:いままさに毒親の介護で苦しむ方から「身につまされるような描写があったからこそ、一人じゃないと思えた」という感想をいただきました。その言葉だけで、この作品を世に出して良かったなと思っています。 ほかDMを中心に届いたのは、介護未経験者からの「これからのことを考えるきっかけになった」というお声です。どのような立場の方でも、自分ごとにしてくださったのは嬉しかったですね。 ーー作品内で、印象的に描けたと思うシーンがあれば教えてください。 枇杷かな子:娘であるヒトミが、父親に「熱いお茶をかけてやろうか」と心を歪ませてしまうシーンですね。もっといえば、父親の手袋を隠したり、靴を踏み潰したりするなど、気付かれないような嫌がらせを繰り返す部分も該当します。 私自身も介護中、弱っているのに言葉だけは強い父に対し「傷つけてしまいたい」という感情が何度も湧いたのは事実です。「介護から虐待へのシフト」は、ストレスが行き着いた先に起こり得ます。そんな現実にしっかりと向き合うべきだと思い、意識してストーリーに入れ込みました。

横柄な態度を取る一方で医師には…

余命300日の毒親

『余命300日の毒親』(KADOKAWA)

ーー作品内では、ケアマネジャーを中心に、外部でサポートする方の姿を丁寧に描いているように思えました。 枇杷かな子:毒親にありがちなのが、サポートしてくれる人の立場を低く見て、横柄な態度を取ることだと思っています。作品内でも描写したのですが、直接命を預けている医師にはヘコヘコする傾向があるんです。 「いくら暴言を吐かれても、献身的に要介護者と向き合う人々の地位を、少しでも向上させたい」そんな気持ちが、自然と作品内にも反映されたのだと思っています。
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身体が弱った父でも、大声をあげると…
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エンタメ好きなフリーライター。クリエイターやアイドルなどのプロモーション取材を手掛ける。ワンドリンク制のライブが好き。
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