「1浪6留」を経て大学中退、実家で暮らす30代男性が感じる“生きづらさ”の正体。「人とつながる力が極端に弱いから…」
九州地方で両親と暮らす久保田辰夫氏(仮名)の年齢は30代半ば。現在休職中。大学に入学するまでには1浪、在学中は6留を経験し、とうとう卒業はできなかった。
諸事情によりアカウント名は伏せるが、自身の現状について自虐交じりで発信する日々を送る久保田氏。彼のような中年男性は、世間では“子ども部屋おじさん”などと呼ばれ、なかばエンタメとして消費されていきがち。生きづらさに焦点を当て、当事者として思うところを掘り下げていきたい。
――久保田さんは小学校時代から大学時代までをラグビーに捧げたスポーツマンですよね。一方、高校時代に一度退学をして、通信制高校へ通うなど、思い悩んだ形跡もみられます。
久保田辰夫(以下久保田):そうですね。ただ、小学校時代から非常に内気で、いわゆる“いじられキャラ”でした。今でもそうなのですが、人の輪の中に入っていくのがとても苦手なんです。小学校に入学したばかりのころ、太りやすい体質だったこともあって、すぐにいじめられました。それを両親に打ち明けると「こいつ、スポーツでもさせないとまずいんじゃないか」って話になったんです。なぜか両親は相撲かラグビーをやらせようと考えたらしく、たまたまラグビーの指導者に知り合いがいたことから、ラグビーをやらせることにしたようです。小2で始めた当初は嫌でしたが、小6のころには楽しめるようになっていました。
――ガタイもいいわけですよね。
久保田:小兵ですが、ガッチリしていると言われることが多かったです。一応、九州地方ではラグビーで名前の知られた高校にスポーツ推薦で入学したんです。当時は170センチないくらいの身長で、体重が80キロありましたから、非力な部類ではないですよね。
――ガタイのいい引っ込み思案な性格というギャップがあったわけですね。
久保田:はい、ただ必ずしもそれは周囲に伝わっていなかったと思います。どちらかといえば私はそそっかしくて、お調子者だと思われていたフシさえあります。キャラ的には“いじっても問題のないやつ”のくくりだったでしょう。高校時代も先生からそう思われて、しばしば見せしめのサンドバックにされました。おちゃらけて見せるのですが、内心は結構傷ついていたんです。

久保田辰夫氏(仮名)
内気で“いじられキャラ”だった小学校時代
先生からも「いじって問題ない」と思われていた
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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