ロバーツ監督「トライネン起用」で大炎上…9回裏の“迷采配”でドジャースが得た「3つの学び」
ナ・リーグの地区シリーズ「フィリーズ対ドジャース」は、2戦目までを終えてドジャースが2勝。相手のホームアドバンテージを打ち破ったドジャースがフィリーズを窮地に追い込んだ。
日本時間7日に行われた第2戦は、試合中盤まで手に汗握る投手戦の展開となった。フィリーズのルサルドとドジャースのスネルが6回まで1安打、無失点に抑え、両左腕ともに一歩も譲らず。
しかし、7回表にドジャースが大谷翔平のタイムリーなどで一挙4点を挙げて均衡を破ると、7回からマウンドに上がったシーハンが2イニングを1失点で切り抜けた。あとは“新・守護神”佐々木朗希が最終回を締めるだけかと思われたが……。
ドジャースの指揮官、ロバーツ監督が3点をリードした9回裏のマウンドに送ったのはトライネンだった。トライネンはメジャー通算82セーブを誇る実績の持ち主だが、今季はシーズンを通じて安定感を欠いた。特に9月は防御率9点台、救援投手としては異例の月間5敗を記録するなど、シーズン終盤に炎上を繰り返した。
この日はセーブが付く場面でもあり、ロバーツ監督のトライネン投入には多方面から疑問が投げかけられたのは言うまでもないだろう。そしてトライネンは大方の予想通り、対峙した打者3人すべてに安打を許し、2失点。ドジャースは楽勝ムードから一転、一打出れば同点、あるいは長打なら逆転サヨナラの大ピンチに陥った。
結局、トライネンの後を受けた左腕のベシアは、打者3人から2つのアウトを奪い2死1、3塁という状況で降板。1点リードしたここでようやくクローザー・佐々木が満を持してマウンドへ上がった。
そして最後は佐々木がターナーを二塁ゴロに打ち取って試合終了。ドジャースは薄氷のシリーズ2勝目をつかみ取った。
試合後、当然の如く大炎上したのは、9回裏のロバーツ監督の投手起用だった。「迷采配」「判断ミス」「エンターテイメント性だけは抜群」など、SNSには指揮官を批判する言葉が躍った。
「(佐々木は)3連戦のうち2試合に登板するような使われ方は、ほとんど経験がない。なので、その時点でのランナー状況などを踏まえての判断だった。ブレーク(トライネン)はこれまでにも、ポストシーズンで非常に重要なアウトやイニングを任されてきた経験がある。あの場面では彼に対してすごく自信があった」
試合後にロバーツ監督はトライネンを起用した理由についてそう釈明したが、しばらくこの謎采配への批判は止まりそうにない。これまでもロバーツ監督は、こと継投に関しては批判されがちで、もはや継投ミスはポストシーズンの風物詩ともいえる状態。
それでも、この試合に関しては結果的にドジャースが勝利を収めたことで、いい方向に転がることも期待できるだろう。
というのも、レギュラーシーズンと違い、ポストシーズンは内容よりも結果がすべて。あわや逆転サヨナラ負けのピンチを招いたことは間違いないが、リーグ優勝決定シリーズ進出へ王手をかけたのもまた事実だ。内容はともかく勝ち切ったことが大きい。
ロバーツ監督の“迷采配”が大炎上

ワイルドカードシリーズで好投した佐々木朗希投手
写真/産経新聞社
ロバーツ監督はトライネン起用を釈明したが…
ポストシーズンは“結果”がすべて
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1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬情報サイトにて競馬記事を執筆中。
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