『探偵!ナイトスクープ』で話題、“猫のかぶりもの”をする人物の正体は?有名芸能人の子どもとして生まれた孤独と14年間の引きこもり生活
人気番組『探偵!ナイトスクープ』(朝日放送)に出演し、その特徴的な風貌で注目を集めたササヤマメリーさん(sasayama.mary)には、人を信じられず、合計14年間にもおよぶ“ひきこもり生活”を体験した過去がある。そんな生活に終止符を打ったのは、見かねた友人から贈られた猫のかぶりものだった。現在、兵庫県丹波篠山市のマスコット的キャラクター(非公認)として人気を博す。猜疑心を打ち消し、地域に貢献できるまでになった、メリーさんの人生の紆余曲折を聞いた。
――猫のかぶりものはご友人から贈られたと伺いました。なぜ猫なのでしょう。
ササヤマメリー:猫が昔から好きなんです。祖母の家で猫を飼っていましたし、非常に親しみのある動物です。引きこもっていて何も気力が起きないときに、友人から「何が好きなんだ」と問われて、「猫が好き」と答えました。ちょうどそのやり取りが2021年6月のことだったと思います。するとその年の大晦日に、友人が大きな包みをもってやってきたんです。精巧な猫のかぶりものが入っていて。聞けば特注で半年間かけて製作されたとのことでした。
洗面所に連れて行かれ、被ってみると、なんともいえない安心感に包まれました。自然に涙が溢れて、「余生は猫として生きていきたい」と思ったのを覚えています。
――その格好で外を歩かれると伺いましたが、相当目立ちませんか。
ササヤマメリー:目立ちますね。引きこもっていたとき、友人が人が少ない時間に連れ出してくれたんです。たとえばオールナイト上映の映画館などです。あるショッピングモールにも、夜によく訪れていました。猫姿のデビューをどうしようと思案するなかで、この姿で買い物をしようと決めました。
ショッピングモールへ行くと、その途中でいろいろな人から「かわいい」と声をかけてもらえて、意気揚々と中にはいって行きました。でも、買い物をしていて視線を感じたので振り返ると、2人のガードマンがいました(笑)。やはり防犯上、顔がみえない人は店内に入れられないらしいのです。それはそうだなと納得しました。
――ただ、丹波篠山市のイベントなどではその格好でみんなに親しまれていますよね。
ササヤマメリー:ありがたいことに、受け入れていただいています。市長さんに初めてお目にかかったときも、最初から「メリーさん」と声をかけていただいて、地域の発展のために微力ながら貢献させていただいていることをありがたいと思えました。

ササヤマメリーさん
猫のかぶりものは友人が…
徐々に“猫姿”で外出するように

丹波篠山市の酒井隆明市長と
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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