雑学

中国最大級チェーン「ブルース・リー印の店」で食べてみた

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どう見てもブルース・リーですが……

 中国の都市部を歩いているとよく目にする黄色いロゴマークがある。トラックスーツ姿のブルース・リーを彷彿とさせる男が描かれた看板を掲げた飲食店だ。その正体は、中国のファストフードチェーン「真功夫 (ツンコンフー)」。特に広東省では、ケンタッキーやマクドナルドよりも頻繁に見かけるほどだ。しかし、中国在住日本人の間でも、食べたことのある人は少なく、実態は謎に包まれている。人気の秘密を探るべく、早速、店に行ってみた。

 1994年に広東省東莞市で誕生した真功夫は、今や全国に435店舗を誇っており、ケンタッキーやマクドナルドと並び、中国5大ファストフードチェーンのひとつとして君臨している。店のコピー「やっぱり蒸したほうがうまい」とあるように、真功夫は中華料理の料理法に欠かせない「蒸料理」をメインに据え、西洋風のファストフードと差別化を図っているようだ。

 ちなみにキャラクターに起用しているブルース・リー風の男のロゴマークは、過去、ブルース・リーの実の娘から肖像権違反で訴えられた事もある。しかし、顔が微妙に違うと真功夫側が抗弁したようで、訴訟はうやむやに。今でもお構いなしに同じロゴマークを使用している。

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店内の様子。若者で賑わっていた

 筆者が訪れたのは、広東省深圳市内の某店舗。複数の飲食店が軒を連ねるショッピングビルの地下に立地し、さらに隣はケンタッキーという激戦区だ。しかし、客の入りはケンタッキーに負けず劣らずと、世界的チェーンを相手にかなり善戦しているように見えた。

 早速、扉を開けて中へ入ると、いきなり八角のような匂いが鼻を突き、ファストフード店のイメージが根底から覆されるのだった。そのまま店の中を前進し、レジへと進む。注文カウンターの裏手がすぐに厨房になっているのは、一般的なファストフード店の配置と共通している。

 ところが……メニューを見ると、鴨肉のあんかけ飯からザーサイと牛肉の炒め蒸し、鶏肉と椎茸の蒸し物、お粥類、ビーフン類、茶碗蒸しに至るまでひたすら中華。ただ、ドリンクをセットにできることだけは、ファストフード店としての名残があった。

 多くの人々が頼んでいたのは蒸した排骨(スペアリブ)にライスとスープ、レタスなどの野菜の小鉢がついたセット「香汁排骨飯套餐」(約300円)。今月のおすすめメニューだという。筆者が注文したのは、鶏肉の旨辛煮と中華スープ、コーラのセット(約200円)。1分と待たない間に、それらの品々は厨房係から投げるようにレジ係へとパスされ、筆者の目の前に突き出されたのだった。

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スープは蒸して加熱したものらしい

 HPによれば、同チェーンは「注文から60秒で提供」をモットーにしており、中国でこれが可能なのはほかにマクドナルド、それにケンタッキーだけなのだそうだ。しかしそのタイムリミットを守るのに必死なためか、レジ係の女性は無愛想極まりない態度だった。まあ中国では一般レベルではあるが……。同チェーンでは、ヒラの従業員でも年間で最低320時間のトレーニングを受けているとHPに謳っていたが、残念ながらその成果は見えなかった。

 メインディッシュたる鶏肉の旨辛煮は、味のほうはそこそこいけるのだが、いかんせん温度がぬるい。スープは店中に匂いが充満している八角が効いており、具として入っていたのは鳥の骨と、謎の物体(漢方食材か?)。お味はなかなか本格派だったが、やはりぬるかった。また、飲み物として選んだコーラはこれらの料理と合わず、全くの失敗であった……。

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意外にうまかったスープ。しかし、中の具はグロかった

 中国ではもはや庶民に定着した真功夫だが、中華料理が好きな日本人にとって、この味付けは意外と受け入れられるのかもしれない。はたして、日本に上陸する日はやってくるのだろうか。

【取材・文・写真/ドラゴンガジェット編集部
ガジェット好きのライターや編集者、中国在住のジャーナリストが中心メンバーとなり、2012年1月から活動を開始。東京と深セン、広州を拠点に、最新の話題をお届けする。

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