10年国債が27年ぶり2%台へ…ベテランFPが読む「金利のある時代」の資産戦略
日銀の利上げで「金利のある時代」が現実味を帯びてきた。10年国債も27年ぶりに2%台に乗るなか、日本の金利はどこまで上がるのか。『金利で損しない方法、教えてください!』の著者であり、ベテランFPの深野康彦氏に、市況の概要と今後の動向を聞きつつ、金利上昇時代の現実的な資産戦略を聞いた。
「政策金利が0.75%になり、長期金利は節目となる2%台を利上げ前から超えていました。だからといって、『政策金利も2%台になる』と考えるのは早計です。実はリーマンショック前の2006年にも10年国債の利回りは一時2%に乗せたときもありました。現状、長期金利が2%を超えたからといって大騒ぎするものではありません」
そう話すのは業界歴35年超えのベテランFP深野康彦氏だ。今後の日銀がどのように政策金利を動かしていくかについて、氏はこう予想する。
「日銀の植田総裁は、『賃金や物価の上昇の持続性や上昇ペースを見て多用な視点から判断していく』と話しています。これから3月に出る春闘での賃上げの状況や、消費者物価指数などインフレの状況を加味した上で利上げを行っていくでしょう。今年2026年中に1回の利上げで政策金利は1%へ。来年2027年に利上げできて2回。政策金利は1.5%が現実的な水準ではないでしょうか」
長期金利の10年国債が2%台に乗っていても、政策金利が2%にまで上がるには至らないという。仮に政策金利が2%になるとしたら、どのようなシナリオからなのだろうか。
「そもそも、政策金利が2%に上がるためには、0.25%の利上げが少なくともあと5回必要です。今回の利上げは2024年春のマイナス金利解除が1回目で、既に3回上げている。過去を振り返ると日銀が5回連続で利上げをしたのには1979年~80年にまで溯ります。更にその前では1973年~75年には連続で8回利上げをしています。この時、何があったかというと中東戦争に端を発する『オイルショック』です」
オイルショックと言えばトイレットペーパーの買い占めパニックなどが発生したと社会の授業で習った人も多いはず。このときインフレ率は15%~20%の上昇を記録している。1970年にかけうどん1杯100円程度だったのが、5年後の1975年には倍の200円になるようなインフレだった。
「当時の政策金利は年利8%台になっていました。裏返せば、今から政策金利が2%になるためには、毎年5%以上の物価高が続く必要がある。現状の原材料高と賃金上昇のコストプッシュインフレに加えて、需要が供給を上回るディマンドプルインフレになるには、オイルショックのような海外情勢の変化が起きているはずです」
石油周りの国際情勢と言えば、奇しくも2026年1月にアメリカがベネズエラを攻撃したり、アメリカとイランの攻撃で原油高になる可能性も指摘されているが……。
「トランプ氏は今年2026年に中間選挙を控えていますからあまり物事を荒立てる手段には出づらいでしょう。原油価格も60ドル台とそこまで上がっておらず落ち着いている状況です。原油価格が1バレル100ドルを超えるような展開でないとオイルショック並のインフレは来ない。2022年からのロシア対ウクライナの戦争も停戦への協議が報じられるなど、ここから戦況が悪化するのは考えにくいと思っています」
1973年の第一次オイルショックの引き金になったのはイスラエルとエジプトやシリアをはじめとするアラブ諸国とで勃発した中東戦争で、79年からの第二次オイルショックはイラン革命を契機にしている。「歴史を動かすような大きな出来事が起きない限りは日本の政策金利も2%台にはいかない」と深野氏は断言する。
「それだけに景気がどうなるかが重要です。アメリカもインフレが落ち着いてきて景気もしぼみつつある状況です。EUもあまり景気が良いとはいえません。元々EUでは2030年までにガソリン車の新車販売を禁止するとしていたのですが、それを撤廃しました。それだけ経済の状況が厳しいわけです。欧米がこぞって利下げなのに、日本だけ利上げの状況にあることを理解しておきましょう。私の予想としては政策金利2%に乗せるシナリオは大分低いのではと思っています」
金利2%シナリオの壁。日銀利上げの現実ライン
「政策金利が0.75%になり、長期金利は節目となる2%台を利上げ前から超えていました。だからといって、『政策金利も2%台になる』と考えるのは早計です。実はリーマンショック前の2006年にも10年国債の利回りは一時2%に乗せたときもありました。現状、長期金利が2%を超えたからといって大騒ぎするものではありません」
そう話すのは業界歴35年超えのベテランFP深野康彦氏だ。今後の日銀がどのように政策金利を動かしていくかについて、氏はこう予想する。
「日銀の植田総裁は、『賃金や物価の上昇の持続性や上昇ペースを見て多用な視点から判断していく』と話しています。これから3月に出る春闘での賃上げの状況や、消費者物価指数などインフレの状況を加味した上で利上げを行っていくでしょう。今年2026年中に1回の利上げで政策金利は1%へ。来年2027年に利上げできて2回。政策金利は1.5%が現実的な水準ではないでしょうか」
長期金利の10年国債が2%台に乗っていても、政策金利が2%にまで上がるには至らないという。仮に政策金利が2%になるとしたら、どのようなシナリオからなのだろうか。
国外発の金融ショックが政策金利2%の引き金に!?
ファイナンシャルリサーチ代表。大学卒業後、クレジット会社を経て独立系FP会社に入社。その後、1996年に独立し、現在の有限会社ファイナンシャルリサーチは2社目の起業。FP業界歴35年(2024年10月現在)を誇り、そのキャリアを通じて日本経済の浮沈を見守ってきた。メディア出演やセミナーを通じて、資産運用や住宅ローン、生命保険、税金、年金など幅広く「お金の知識」を発信している。著書『金利で損しない方法、教えてください!人気FPが教える金利上昇時代の「お金の新ルール」』
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