なぜ株は上がって、国債金利が下がるのか?

アベノミクスという造語を作り、景気は絶好調と言わんばかりに煽るメディアたち。日経平均株価も順調に上がり、期待感は増すばかり。しかし、ぐっちーさんがこの状態に一石を投じた。なぜ株は上がって、国債金利が下がるのか?

⇒【前編】はこちら

◆金融市場の指標でもっとも大事なのは国債市場である!【後編】
(現役金融マン ぐっちーさん)

 一方、アベノミクスなるもので景気が良くなると新聞で語られる日本。であれば、【前編】で解説したアメリカと同じように国債金利が上昇するはずです。

 しかし、実際は0.6%まで下落し、10年国債金利の史上最低値0.43%に迫ろうかという状態に。昨年10月には0.8%程度あったのに更に金利が低下しています。巷ではアベノミクスによる緩和策、インフレターゲットにより景気が良くなるとされ、株価が上昇しているにもかかわらずです。これは日米が置かれた経済環境の違いにほかなりません。アメリカでは株価だけではなく住宅市場や給与も上がり、一部では増税になりましたが、全米規模での増税は回避されました。当然みんなお金を使います。

 日本では、日銀がどんどん資金供給し、銀行にとんでもない金額の現金が溜まります。しかし、皆さんは預金を下ろしたり、借金をして何かを買ったりは……しませんよね?

 恐らく給料もあまり上がらず、消費税も公共料金も上がり、生活防衛のためにますます預金をしよう、と思っているのではないでしょうか。となると、大量に資金を受けた銀行にしてみれば、その資金で結局国債を買うしかない。だから国債の価格はどんどん上がっていくというカラクリになるのです。

 では、どうすれば皆さんが預金を下ろして消費をして国債金利が上昇するかと言えば、使えるカネを増やすこと、つまり減税しかありません。今回の消費税増税がどれだけ間違っているか、という証拠がここにあるのです。

【今週の数字】
10年国債の金利(’13年3月8日現在)
0.648%
昨年同時期が0.983%。1年間で約0.3%金利が落ち込んでおり、下落傾向は続いている。アメリカも昨年同時期で比べると低下しているが、’12年7月末に底を打ってからは上昇傾向で推移するように変わっている’12年11月と12月の見直し数字が24万人、20万人増と大幅上方修正をしたのも好材料だ

国債市場

'06年以降は多少の上下はありながらも長期的な下落傾向にある10年国債の金利。このままでは最低値の更新もありえるかもしれない

【選者】現役金融マン ぐっちーさん
ウォール街で20年生きてきたノウハウをブログに執筆し、いち早くサブプライムローン問題に警鐘を鳴らしていたアルファブロガー。金融と経済を中心としたオピニオンブログ「THE GUCCI POST」(http://guccipost.jp/)を主宰している

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