なぜ詐欺被害は減らないのか…投資家が指摘する“騙される人の共通点”
特殊詐欺のニュースは、もはや珍しいものではない。
「なぜ、こんな手口に騙されるのか」と疑問に思う人も多いだろう。だが個人投資家の村野博基氏は、こう指摘する。詐欺がなくならないのは、単に犯人の手口が巧妙だからではない。「信じる」という美辞麗句の裏にある、“自分で考えない他人任せの姿勢”が、被害を生み続けているのだという。
近著『戦わずして勝つ 不動産投資30の鉄則』(扶桑社刊)を上梓した村野氏は、「詐欺師は無差別に人を狙っているわけではない」と語る。むしろ彼らは、騙しやすい相手を見極めてターゲットを選んでいるのだという。
では、詐欺師が狙うのはどんな人なのか。そして、詐欺に遭わないために本当に必要な「リテラシー」とは何なのか。村野氏の視点から、その本質を考えてみたい。
日々ニュースでは詐欺の被害が報じられています。種類はさまざまで子どもや孫を装って「トラブルの示談金が必要」と現金を要求する古典的なオレオレ詐欺から、警察官や銀行員を装って「あなたの口座が不正に利用されている」とキャッシュカードをだまし取る預貯金詐欺、役所を装って「支払った医療費が戻ってきます」とATMを操作させる還付金詐欺など、さまざまなパターンが存在します。。
もちろん、詐欺は犯罪ですから許されるものではありません。ただ、今一度ここで考えたいのは、詐欺を仕掛ける人は「誰を狙うのか」です。
例えば、ホームレスの方をターゲットに詐欺を仕掛ける詐欺師は恐らくいないでしょう。うまくいっても実入りが少ないのでやるだけ損だからです。一方でリテラシーが高く、自らの才覚で財産を築いた人に対しての詐欺は、上手くいけば実入りは多いのかもしれませんが、きっと警戒されてなかなか騙されてはくれないでしょう。下手をすれば、逆に罠にかかって捕まる可能性すらあるので、できるだけ避けたいはずです。つまり、厳しいことを言うかもしれませんが詐欺のターゲットになりやすいのは「自身のリテラシーと比較して分不相応に資産を持ってしまっている人」だと私は考えています。
騙される人が居る限り、この手の詐欺はなくなりません。だからこそ、お金という資産を持つ以上はそれに見合ったリテラシーを持たなければいけないのです。そもそもリテラシーを鍛えるには、自分の頭で考えるコトを放棄してはいけません。自分で考えず、他人任せ運任せにして作り上げた資産は「あぶく銭」でしかないのです。その資産形成の過程ではリテラシーが鍛えられているとは言えません。だからこそ、あぶく銭はあっという間になくなってしまうのでしょう。
今一度、「リテラシーとは」を考えてみましょう。リテラシーの語源は「読み書きの能力」ですが、現代ではビジネスやITなど幅広い分野の知識・スキルを指しています。リテラシーが高い人は、信頼できる情報に基づき行動できます。一方、リテラシーが低いと、誤った情報を信じて拡散してしまったり、騙されたりします。つまり、リテラシーとは「情報を処理し使いこなす能力」であり、実は現代のような高度な情報社会においては、生きていくうえで重要な能力だと言えるのではないでしょうか。
ただし、リテラシーは現代において重要な能力にも関わらず現代ならではの格差が生じやすい土壌があります。それが「スマートフォン」の存在です。
リテラシーの高めるには、(1)意識的に情報収集を行い(2)その情報の真贋を自分で考える、ということが大事なのですが、これが難しくなってきているのです。スマートフォンでSNSやニュースを開けば、自分の好みの言説のみが表示され、自分で考えずとも、同様の思考を持った人々と通じる世界で「私の考えは正しい」と思えてしまいます。「自分とは異なる意見には触れにくい」「自分で考えなくても楽に生きられる」という世界では、非常に居心地が良く楽な一方で、リテラシーが自然に鍛えられることが少なくなっている、と危惧しています。

写真はイメージです
知識・リテラシーがないのに資産を持っている人がターゲット
現代はリテラシーを高めるのが難しい?
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1976年生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、大手通信会社に勤務。社会人になると同時期に投資に目覚め、外国債・新規上場株式など金融投資を始める。その投資の担保として不動産に着目し、やがて不動産が投資商品として有効であることに気づき、以後、積極的に不動産投資を始める。東京23区のワンルーム中古市場で不動産投資を展開し、2019年に20年間勤めた会社をアーリーリタイア。現在、自身の所有する会社を経営しつつ、東京23区のうち19区に計38戸の物件を所有。さらにマンション管理組合事業など不動産投資に関連して多方面で活躍する。著書に『戦わずして勝つ 不動産投資30の鉄則』(扶桑社)、『43歳で「FIRE」を実現したボクの“無敵"不動産投資法』(アーク出版)
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