GW渋滞の車内で「全員がトイレを我慢」した末路。見栄を張った先輩が失った威厳と、漏らした後に芽生えた“まさかの恋”
ゴールデンウィークは旅行やお出かけが楽しみではあるものの、移動時の交通渋滞が思わぬトラブルや修羅場を生むことも少なくない。
「東京くらい、俺の運転で余裕っしょ」
その言葉は、GWの渋滞と昼に食べた大盛りカレーによって、見事に粉砕された。高澤文雄さん(仮名)が、笑うに笑えない車中でのハプニングを明かす。

地方に住んでいた高澤さんは、推しアイドルのイベントが東京で開催されるということで、自分に少し好意を寄せてくれていた後輩のあやこちゃん(仮名)と、昔から懐いてくれている後輩のけんしょうくん(仮名)を誘い、3人で車を出すことにした。
「電車より自分の車のほうが先輩らしく見える」。そんな見栄を胸に、高澤さんは意気揚々とハンドルを握った。行きは拍子抜けするほど順調で、イベントでの買い物も盛り上がり、「それめっちゃ可愛い!」「買いすぎじゃないですか?」と3人で笑い合った。
問題は、昼食の場でも見栄が止まらなかったことだ。
「俺、大盛りで」
運ばれてきたカレーは皿の上で山を作っていた。あやこちゃんに「すご……先輩、食べきれるんですか?」と笑われると、高澤さんは得意げに「こういうの余裕だから」と返し、そのまま勢いで完食した。
「今思えば、あの一皿がすべての始まりでした」
そして帰り道、東京の道は甘くないと痛感させられる。
首都高の入口を間違え、車線変更もままならない。後続車からは容赦なくクラクションが響く。ナビだけが冷静に「まもなく右方向です」と告げるが、右も左も車だらけでどうにもならない。高澤さんのハンドルを握る手には、じわりと汗がにじんだ。

気づけば2時間以上、都内をぐるぐると走り続けていた。そのころには腹の奥で大盛りカレーが静かに地殻変動を起こし始めていた。
(やばい、腹が痛い……)
やがて噴火寸前。さらに助手席のけんしょうくんも膝を閉じてもじもじしている。高澤さんは余裕のある先輩を装って言った。
「近くのコンビニ寄ろうか」
もちろん、自分も限界だった。しかし東京のコンビニは厳しかった。寄っても寄ってもトイレがない。あっても貸してくれない。店を出るたびにけんしょうくんの顔色は悪くなり、後部座席のあやこちゃんも、さっきまでの笑顔が消えて口数が減った。バックミラー越しに、その唇がきゅっと結ばれているのが見えた。
高澤さんは「あ、この車、3人とも我慢してる」と気づいた。
車内から完全に会話が消えた。聞こえるのはウインカーの音と、渋滞した車の低いエンジン音だけである。
昼飯の大盛カレーの山が、渋滞中の腹痛で噴火寸前!

※写真はイメージです(写真/Adobe Stock)

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編集者・ライター・旅行作家。取材や執筆、原稿整理、コンビニへの買い出しから芸能人のゴーストライターまで、メディアまわりの超“何でも屋”です。著書に『海外アングラ旅行』『実録!いかがわしい経験をしまくってみました』『10ドルの夜景』など。執筆協力に『旅の賢人たちがつくった海外旅行最強ナビ』シリーズほか多数。X(旧Twitter):@gold_gogogo
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