「言葉の通じないモンスターに思えた」元ジャンポケ斉藤被告がロケバス内で口腔性交…女性が“示談金2500万円”を拒んだ理由
2024年7月、ロケバスの車内で共演者・Aさん(女性・20代)に性的暴行を加えたとして不同意性交などの罪に問われている、お笑いトリオ「ジャングルポケット」の元メンバーの斉藤慎二被告(43)の論告・求刑公判が、8月5日に東京地裁(伊藤ゆう子裁判長)で開かれた。
この日の公判で、検察側は斉藤被告に対して「懲役7年」を求刑。弁護側は「無罪判決が言い渡されるべきだ」と主張して結審した。
今回は、Aさんが法廷で陳述した“峻烈な処罰感情”などを詳報する——。

筆者が法廷に入ると、検察官席の後方に薄水色の背の高い遮蔽板(パーテーション)が立てられていた。遮蔽板の奥から物音がしたあと、Aさんの声が聞こえた——。Aさんは、証人出廷した際に映像と音声を使って別室から証言する方式がとられ、斉藤被告と同じ法廷に現れることがなかった。
一方の斉藤被告は、これまでと変わらず黒色のスーツに紺色のネクタイ姿。この日で裁判が結審することもあってか、いつもより表情が硬いように思えた。
伊藤ゆう子裁判長は開廷の宣言をすると、「期日間に被害者意見陳述の申し出がありました。Aさんご本人が陳述されますか?」と確認。Aさんによる心情の意見陳述がはじまった。
Aさんは意見陳述の冒頭で法廷に立った理由を述べた。
「私にとってこの事件は、過去の出来事ではありません。今も終わることのない苦しみを抱えながら生活しています。私がなにをされ、人生を壊され、どのような日々を送ってきたのか裁判所にわかってもらいたくて意見陳述をしました」
当時、インフルエンサーとして活動していたAさん。インフルエンサーとしての活動は、「唯一自分らしくいられる場所でした。私の人生を支える大事な財産になっていました」と回顧するが、事件の影響で案件の依頼が激減した。
Aさんは事件当日をこう振り返る。
「その日に被告人と出会ったことで人生が変わってしまいました。被告人は初めて会ったときに『どこの事務所に所属しているの?』と聞いてきました。今思えば、後ろ盾がない人か確かめていたのだろうと思います。被告人の卑劣さに強い憤りをおぼえます。被告人は吉本興業に所属しており、事務所には影響力がありました。私との間には圧倒的な差があり、さらに私を恐怖に陥れました」
ロケがはじまって約1時間40分が経過したころ、最初の犯行とされる「キス」があった。
「私は被告人と会ってから強い異常性を感じました。仕事の現場で、とまどいもない様子に、私には言葉の通じないモンスターに思えました。恐怖で頭が真っ白になり、自分の体じゃないように硬直しました。必死に『やめてください』と訴え抵抗する私の押し返す行動も全て無視され、絶望しかありませんでした」
Aさんは、スタッフへ相談しなかった理由にも触れた。
「出演者の中でも立場の弱い私のせいで撮影を止めてはいけない、私が我慢すればよいと思い込んでしまいました。私は苦しみを押し殺しました。被害者は軽かった、同意していたと受け止められたくありません。何度も強く抵抗できたのではないか、すぐに他の人に言った方が良かったのではないかと自分を責めています」
斉藤被告は裁判でAさんの「同意があったと思っていた」と起訴内容を否認している。
「被告人から『同意があった』と言われ、私の抵抗も表情も苦痛もすべてなかったようになりました。もう一度、心を踏みにじられました。責任を私に押しつける卑劣な行動だと思います」
証人尋問でも述べていたが、Aさんは事件を受けて「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」になり、「以前のように安心して日常生活を送れなくなりました」と現在を語る。
「事件に関するものが目に入っただけであの日の恐怖や光景が思い浮かび吐き気に襲われます。眠っている間も事件を忘れられません。夢の中でも私は追いつめられていることもあります。(略)被告人の行為はあの日で終わったかもしれませんが、私の心は決して終わっていません。ずっと傷ついています」
遮蔽板の向こうから聞こえたAさんの声

2018年に撮影された、お笑いトリオ「ジャングルポケット」元メンバー、斉藤慎二被告
写真/産経新聞社
「人生を壊された」Aさんが明かした事件当日の恐怖と絶望
「もう一度、心を踏みにじられた」“同意があった”との主張に憤り
傍聴歴7年、傍聴総数1000件超。 都内某私立大の大学院に在籍中の現役大学院生。趣味は御神輿を担ぐこと。高校生の頃から裁判傍聴をはじめ、有名事件から万引き事件など幅広く傍聴している。その他、裁判記録の閲覧や行政文書の開示請求も行なっている。
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