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レ軍監督「ダルビッシュにはオールスター先発を用意」

 NPBで93勝を挙げ、海を渡ったダルビッシュ有が、メジャー10試合目の登板で7勝目をマーク。日米通算100勝を飾った。7勝目はアメリカン・リーグのハーラートップタイに並ぶ勝ち頭。これにはロン・ワシントン監督もご満悦のようで、「実はここだけの話だが……」と本誌記者に熱い思いを語ってくれた。

◆「クレバーな投手にふさわしい最高の舞台を用意する」

ダルビッシュ有

オールスターには前半戦終了時に10勝は必要といわれるが、そのハードルをあっさりと超えてしまいそうなダルビッシュ 撮影/渡辺秀之

 前回登板のシアトル戦では、自己最短の4回で降板したダルビッシュ。今日の立ち上がりも冷や冷やものだった。ブルージェイズの先頭打者をストレートのフォアボールで歩かせると、続く2番打者にもボール、ボールと6球連続でストライクが入らない。たまらず女房役のマイク・ナポリがマウンドに駆け寄った。

「まぁ、先発投手というのは、年に35回も先発するんだから、(調子が)良い時もあれば良くない時もある。僕らキャッチャーは、ピッチャーが投げたボールを捕るのが仕事だから、ストライクが入らない時は、僕も困るんだよ(苦笑)」

 ダルビッシュが乱調だった前回のシアトル戦後、捕手のナポリはゲームを振り返りながらこう語っていた。

「マウンドに行って話しかけてもさ、どこか変なところがあるの? とか、その程度しか言葉は交わさないんだよ。ただそのちょっとした『間』みたいなものが、時には効くことがあるんだよね。ま、なかにはうちのネフタリ・フェリスみたいに何をやっても全く効果ない、暴れ馬みたいなピッチャーもいるけどね(笑)」

 ア・リーグトップの7勝目を挙げたダルビッシュは試合後、前回登板のシアトル・マリナーズ戦からずっと、体調が優れなかったことを明かした。それでも今日は、味方打線が序盤に爆発して7点を挙げてくれたことをポイントに上げ、体調がすぐれないなりにゲームメイクをしてしまった。このあたりは流石である。

 ゲームを指揮したワシントン監督は、ダルビッシュの悪いなりに崩れない投球を目の当たりにして、こう耳打ちしてくれた。

「(昨年のリーグ優勝球団の監督が務めるルールに則って)今年のオールスターの監督は私だ。あまり賢くない選手が多いなかで、ダルビッシュにはクレバーさを感じる。良い時も、良くない時もゲームを平均して”作れる”のはクレバーな投手の証なんだよ。そんな彼にはふさわしい舞台、そう、オールスターの先発をね、用意しようと思っているんだよ」と断言した。

 もうひとつ重要な意味があるとチーム関係者は語ってくれた。

「昨オフ、レンジャースがポスティングによる競合入札で、大金をはたいて獲得したダルビッシュという『商品』の『真の価値』を証明する。同じように大金をはたいてレッドソックスが獲得した松坂も、ヤンキースが獲得した井川も、果たせなかったこの役。これを『オールスターの先発投手』という称号を与えることによって、世間に正しい選択だったと声高に主張するためでもあるんだ」

 昨年、一昨年とアメリカンリーグを連覇。ワールドシリーズ制覇を2年連続で逃したテキサス・レンジャース。あらゆる角度から検証し、獲得したダルビッシュという最終兵器を手に、3年越しの夢を叶える。

<取材・文/NANO編集部
海外サッカーやメジャーリーグのみならず、自転車やテニス、はたまたマラソン大会まで、国内外のスポーツマーケティングに幅広く精通しているクリエイティブ集団。「日刊SPA!」ではメジャー(MLB)・プロ野球(NPB)に関するコラム・速報記事を担当。

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