次期WBC「イチロー監督」は実現するのか。キーマンはダルビッシュ有
第5回WBCは侍ジャパンが3大会ぶりに王座を奪還した。現役メジャーリーガーが4人も参加した今大会は侍ジャパンも他国の例に漏れず、本気で頂点を目指すことができ、それを結果として残すことができた。結果も素晴らしいが、指揮官の栗山英樹監督をはじめ、野球の楽しさを伝えてくれたメンバーにはただただ敬意を表したい。
今回の侍ジャパンの戦いぶりの中で強く感じたのは、これほど「個性」が際立ったチームはなかったのではないかということだ。もちろん、野球はチームスポーツなので、試合の中ではミスをカバーし合うことは多々あったが、個人の力が試合に反映されクローズアップされることが少なくなかった。
それは栗山監督が「個性」を重視して、自身の「やりたい野球」に選手をはめ込まなかったことに起因するだろう。
「とにかくすごいメンバーが揃っているので、僕としてはその邪魔をしないようにと思っています」
栗山監督はそう語り、あまり動かなかった。それが準決勝の苦戦に繋がったという背景もあるのだが、劇的な逆転劇も生んだ。結局、個性を殺さなければ、たとえうまくいかないときがあっても、挽回できるということであろう。
個性が生きた背景には、いい空気で選手がプレーしやすい環境を作った一人のメジャーリーガーの存在も大きい。
「やりたい野球」に選手をはめ込まなかった
「あまり動かなかった」栗山監督
新聞社勤務を経て、2003年にフリージャーナリストとして活動開始。『Number』(文藝春秋)、『slugger』(日本スポーツ企画)などの紙媒体のほか、WEBでも連載を持ち、甲子園大会は21年連続、日本シリーズは6年連続、WBCは3大会連続で取材している。2018年8月に上梓した「甲子園という病」(新潮新書)が話題に。2019年には「メジャーをかなえた雄星ノート」(文藝春秋)の構成を担当。
Twitter:@daikon_no_ken
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