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夢を追ってサイコ化する友人たち

サイコな人々――それは、普通の社会生活に紛れて暮らしながらも常軌を逸した狂気を宿している人たち。同僚が、取引先が、大学の同期が……。ある日ふとしたキッカケでサイコな人へと豹変したとき、我々はどう対処すればよいのか。実際に小誌に寄せられた、恐るべき被害報告をもとに、ヘルドクターくられ氏とともに考える

【CASE2】
超地味~な女子が突然変異。「アタシ、デビューしますっ!」


証言者:吉永明美さん(仮名)25歳・美容師、ほか1名

「高校からの友人でガリ勉タイプだったY子(25歳・♀)が、いきなり芸能界デビューすると言い出したんです。『私、ぶっちゃけ胸デカいしスタイルもいいじゃん?このままだともったいないよね』って」と、憔悴しきった表情で語るのは、美容師の吉永さん。

「久々に出た高校の同窓会で、友達の多くが地味な田舎のお母さんになっているのを見て『私はそんなの嫌!』と一念発起したのがキッカケみたいなんですが……」

 夢を追うのは素敵だし応援するよ、と伝えた翌日、悪夢が始まる。

「さっそく『あんた美容系の仕事で、確か写真も撮れるよね?』と、オーディション応募用の写真を撮るよう命令が。メイクとヘアセットをして、丸一日かけて200枚以上の写真を撮らされました」

 吉永さんの都合を無視した友人の暴走は、その後もエスカレート。

「『活動のために都内に住みたい』とデビューもしてないのにルームシェアを勝手に計画、しかも部屋探しは私に丸投げ。仕事の合間に、ヘトヘトになりながら物件を探す日が続きました」

 しかし先日、なんとY子の妊娠が発覚、電撃入籍

「早く結婚したくて、3か月前に狙ってエッチしちゃったの 」とのこと。それって吉永さんがルームシェアの物件探しに奔走していた頃では!?

「結局オーディションに受からなかったY子は今、某芸能事務所のボイストレーニングを受けています。『妊婦のリポーターなんていいかも♪』と、彼女の妄想は性懲りもなく膨らむばかり。いい加減、付き合いきれませんよ」

友人を道連れにデビューへ爆走するサイコ女子も

 友人から唐突なデビュー宣言を受けたのは吉永さんだけではない。大学同期のE美(23歳・♀)から「ユニットで一緒に歌手デビューしよう!」と誘われたのは、東大出身で広告会社に勤める斉藤由美さん(仮名・23歳)。

「先日、E美を含めた大学の同期4人と、ある音楽プロデューサーとで飲む機会があったんですが、酒の席のノリで『東大女子4人でユニット組んじゃおうよ』という話に。その場では『いいですね』と盛り上がったんですが……」

 E美が翌日から大暴走、「正式なユニット名を決めるので意見をください!」「プロデューサーとの1回目の打ち合わせは×日です!」と怒濤の勢いで電話が。さらに「東大ガールズ(仮)」と題した企画書が送りつけられ、そこには「♪遊びじゃないのよ東大は HA HAN~出来るといってるじゃないの HO HO♪」と、なぜか「飾りじゃないのよ涙は」の替え歌の歌詞が……。

「地味なコだったんですが、ずっとデビューへの構想を練っていたらしい。熱意はすごいと思うけど、周りが見えてなさすぎ(苦笑)」

 替え歌を熱唱する素人東大OGユニット、見たかった気もするが

【対処法】
ちやほやされることが目的のサイコさんは、褒めたりけなしたり、評価自体をしてはいけません。あくまで無評価、ないしは他人の評価を口にして、攻撃の矛先を自分に向かわせないように心がけます

【監修者 ヘルドクターくられ氏】
マッドサイエンス集団「薬理凶室」主宰。大きな口では語られない科学の裏分野に造詣が深い。13万部を突破した「アリエナイ理科ノ教科書」シリーズの続編を『ラジオライフ』で連載

― 友人がサイコ化!そのとき私は…【2】 ―




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