中国ポリス「秘密兵器」の世界
昇竜のごとき経済発展の陰で格差が拡大するなか、中国では暴動の頻発や治安の悪化が問題となっている。そんななか、治安維持力の強化が急務となっている警察では、日本では見られない様々な警察車両や移動手段が導入されている。
(1)移動式交番
正式名称「流動警務室」と呼ばれるこの警察車両。深セン市内を走行しているのをよく目にする。屋根の部分に防犯カメラ3台、内部にパソコンが設置されており、人が集まるイベントなど、警察力の臨時的な増強が必要な場所に駆けつけると、そのまま交番同様の業務を行うことができるという優れものである。
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(2)電動カート
ゴルフ場にあるカートのような4人乗りマシン。観光地や駅構内、歩行者天国の商店街などで、パトカーが入れないところでよく目にする。人ごみの中でも時速30キロくらいで「どけどけ!」とばかりに爆走していることもあり、かなり危なっかしい。たまに積載オーバーをものともせず、警察官が6~7人乗っているシーンを目撃することも。
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(3)セグウェイ風二輪車
「智能単警」と呼ばれる1人乗りのセグウェイ風のマシン。最高スピードは時速20キロほどとのこと。空港や路地裏など、人が密集する場所や狭い場所での治安維持に導入されている。ただ、セグウェイとの権利関係がクリアになっているか否かは不明である……。
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(4)ローラースケート
成都市や重慶市の警察では、広場や繁華街などでのパトロールにあたる警察官が、実際にローラースケートを着用して滑走している。人が走るのよりも速いことは確かだが、犯人に階段や砂利道に逃げられたら追いかけられないのが難点。実際は、主に迷子の探索などに役立てられているようだ。
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中国では、人口10万人あたりの警察官の数は約150人と言われており、世界平均の半分にすぎない水準だ。これらのマシンは、限られたマンパワーで広大な国土の治安を維持するための、機動の要として期待されているようだ。
【取材・文・写真/ドラゴンガジェット編集部】
ガジェット好きのライターや編集者、中国在住のジャーナリストが中心メンバーとなり、2012年1月から活動を開始。東京と深セン、広州を拠点に、最新の話題をお届けする。
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