更新日:2012年07月22日 09:07

ベントレーの巨大エンジン(575馬力)はヤマトの波動砲並みだ!

英国の紅茶を楽しみながら、一度乗ってみませんか?普段、乗れない人を乗せてあげたいというベントレー・ジャパンの温情で赤坂の超高級ホテルに参上した小誌貧乏軍団。場違いな場所に所在なく、ドアに触れることすら緊張したが、最後は思わず「俺のベントレエエエェ~!」と大声で叫びたくなるぐらい親近感が湧いてきました! マリオ高野=文 Text by Mario Takano 望月浩彦=写真 Photographs by Mochizuki Hirohiko 【前編】はコチラ⇒https://nikkan-spa.jp/241426
ベントレー

日・欧・米ではベンツなどの定番高級車では飽き足りないイケテルセレブが、中国では富裕層がベントレーに飛びついている

 以前、23万円で買った中古のボロいジャガーでさえ自分が車内の異物として浮いているような違和感に苛まれていました。  しかし、ベントレー・コンチネンタルGTCは違います。乗り始めこそ車体の大きさや高級品をふんだんに使った内装の匂いに圧倒されてたじろぎましたが、走れば走るほど気後れする感情がなくなり、最終的には自分の愛車を転がしているような気持ちになりました。思わず「俺のベントレエエエェ~!」と叫びたくなるほど親近感が湧いてきたのです。  その第一の理由は「運転していて気持ちイイ」から。まずハンドルやシフトレバー、ペダル類など直接操作する部分の機械工作精度の高さが凄まじく、とりわけハンドルは握っている間中「俺は今なんと緻密で高精度な機械を操っているのだろう!」と甘美な味を嚙みしめられます。  6リッターW12気筒という複雑難解な排気量の巨大なエンジンは575馬力を発揮。アクセルペダルをガバッと踏み込むと、車重2.5トンの巨体をものともせずヤマトの波動砲みたいなパワーが炸裂しますが、英国紳士を意識したセッティングにより、どこか品格のある穏やかな加速の仕方をするので、ドライバーは自制心を失うことなく、余裕に満ちあふれたクルージングが楽しめます。  第二の理由は内装の雰囲気。熟練した職人が最高の素材から入念に作り込んだ香り高い木目パネルや、若い雄牛の革しか使わないというレザーシート(加工でごまかさない一級品はメス牛の革だとたるみが出るのでNGなのだとか)など、360度すべてが本物の逸品揃い。あえて手動操作を残した趣きのあるエアコンの吹き出し口のスイッチなど、「わびさび」の精神に通じる奥深さも見られ、超豪華なのに落ち着くのです。  風切り音がうるさいはずのソフトトップは独自の3層構造で、閉めて走ってもクーペモデルと変わらない静粛性をキープして驚きました。  エンジンや4WDなどのメカの基本部分は親会社のフォルクスワーゲングループの最高級車をベースにしているので、クルマとしての基本部分の味はフォルクスワーゲン車の延長上にあることもまた、マリオの身体に馴染んだ理由のひとつでしょう(ドイツ車スキスキなので)。  ベントレーのエンジニアには「問題点は燃費がイマイチなこと」とアドバイスしてあげようと思います。 【結論】 ベントレーは清原和博氏から赤貧マリオ高野まで幅広く体に馴染む驚異の高級車。フォルクスワーゲン(国民車)の設計思想が究極の万民向け超高級車を生んだ!?課題は燃費だ!(笑)  内装は熟練職人による手作り。ボディパネルはアルミを加熱して空気圧成型するハイテク技法を駆使して製造。6リッターのW12気筒エンジンはツインターボで過給。比較的お安い4リッターV8エンジン搭載版は燃費対策も入念に実施されている ― 老舗高級ブランドを貧窮ジャーナリストがチェック!【2】 ―
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