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孤立死が激増している背景とは

孤立死が激増している背景

 孤立死が激増している背景には、人間関係の希薄化が挙げられる。「無縁社会」でもあるとともに、誰からも援助されない「無”援”社会」でもある。吉田氏はさらに、

「孤立死の部屋には共通して、故人の生前の不健康な生活ぶりが窺える」と続ける。

「不健康というと身体的なものばかりを想像しがちですが、孤立死をする人には4つの不健康がある。それは身体的、精神的、経済的、社会的不健康です」

 例えば、病気になっても病院で適切な治療を受けなかったり、部屋が汚れるままに任せていたり、借金があるものの返済のメドが立っていなかったり、身内や知人と疎遠になっていたりするようなことである。そして、こうしたことは高齢者だけでなく、40代以下の低所得者層や雇用の不安定な非正規労働者にも当てはまりやすい。

「だから、若年層の孤立死というのは、調査をちゃんとやれば相当な数になると思います。特に最近は、貧困層の若者が安アパートに入居するようなケースも増えていますから」(吉田氏)

若年層の生活の変化がより孤立化を深めている

 また、吉田氏は若年層の孤立死が増える要因として、対人関係の不器用さや、生活環境の変化が悪影響を及ぼしていると指摘する。

「最近の若い人たちは、恋愛など人付き合いにも関心が薄く、コミュニケーション手段といえばもっぱらパソコンだけだし、食事はコンビニ弁当。つまり、普段の生活において他者とコミュニケーションを取らなくて済む環境が整っているわけです。だから、具体的な対策を取るには根本的なところから正さなければならないが、そんなことは不可能。今後も孤立死の傾向は強まるはずです」

孤立死増加はもはや避けられない状況とも言えそうだ。では、孤立死をしないために、日常でどのような点に気をつけるべきか。

「ありきたりですが、自分の境遇の悪さを他人のせいにせずに、直視すること。他人任せでは誰にも相手にされなくなり、孤立化を招きます。孤立死そのものが問題なのではなく、『孤立化している生活自体』を危険視してください」
あなたは大丈夫だろうか?

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吉田氏の経験上、「孤立死をした人の住居では、写真のようにゴミやモノが散乱している場合が多い」という

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’08年春ごろに賃貸住宅の室内で発見された男性の遺体跡。死後1か月ほどで、
家賃滞納により家主が訪問した際に、不審に思い警察へ通報したところ発見された



吉田太一氏
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’64年、大阪府生まれ。’02年、日本初の遺品整理会社
「キーパーズ」を設立。同社での業務のほか、社会問題化する「孤立死」防止のための講演なども行う。
HP:http://www.keepers.co.jp/


― 人ごとじゃない![孤立死]の悪夢【2】 ―

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