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一流企業の出世競争は、ブラック企業よりヤバい

 昨今、学校内でのイジメやブラック企業の労働環境が社会問題化している。しかし、出世競争や駆け引き、ライバル同士の足の引っ張り合いなど、実はブラック企業以上に一流企業では悪質なイジメが横行していた。9/4発売の週刊SPA!「一流企業 悪魔的イジメの実態」特集では、エリート会社員ならではの“頭を使った”イジメの実態と、それが起きる背景を探っている。その中から、国内の某大手情報関連会社に勤務し、年収1000万円を軽く超える柳生紀彦さん(仮名・38歳)の事例を紹介する。

 昨年、柳生さんをある悲劇が襲った。

「本社の選抜コースに乗る気満々だったのに、俺が金沢に飛ばされるという噂が入ってきたんです。部長からは内々に出世を約束されていたのに……。『なぜだ!』と出所を探ったら、自分と同じポストを狙っていた同期の男でした」

 つまり、ありもしない噂を広めるだけ広めて、柳生さんが金沢に行きたがっているとのウソを既成事実化しようとしたのだ。

「そのウソがまた巧妙でね。『奥さんが放射能ノイローゼになって、親戚のいる金沢に“疎開”したがっている。子煩悩のアイツもキャリアを捨てて同行する気らしい』だって。こんなこと聞いたら、ホントかなって気になりますよね」

 こんなイジメに負けてなるものかと柳生氏の復讐心に火がついた。

「そのライバルがスキューバにハマって休日は沖縄に通い詰めている話を聞いたんで、今度は『アイツ、鬱病の気があって、療養のため沖縄で家探してるらしいよ』と休憩所で噂をバラ撒いてやりました」

 噂を広めるには、おしゃべりな人物に伝えるのが手っ取り早い。そこで柳生氏は、おしゃべり課長行きつけのキャバクラのチーママと仲良くなり、「課長が来たら電話して」と手回しした。

出世競争「課長の近くの席を仲間と陣取って、わざと大声で『アイツ、鬱は大丈夫なの? 沖縄に通いつめているようだけど』と大声で話してやりました。翌日の午前中には噂が広がってましたね(笑)」

  目には目を、歯には歯を――そう言って、高笑いする柳生さん。噂が既成事実化し、最終的にはライバルが沖縄支社に飛ばされた。

<取材・文/週刊SPA!編集部 イラスト/サダ>

週刊SPA!9/11号(9/4発売)

表紙の人/鈴木奈々

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