「えこひいき」されるのは社会人の必須スキル
※参考文献:「えこひいきされる人になる」(扶桑社刊)日刊SPA!編集。SPA!本誌では谷繁元信氏が中日ドラゴンズ監督時代に連載した『俺の職場に天才はいらない』、サッカー小野伸二氏の連載『小野伸二40歳「好きなことで生きてきた~信念のつくり方~』、大谷翔平選手初の書籍となった『大谷翔平二刀流 その軌跡と挑戦』など数多くのスポーツ選手の取材や記事を担当。他にもグルメ、公営競技の記事を取材、担当している
えこひいきという言葉には、なんともマイナスなイメージがつきまとう。しかし、会社で、友人付き合いで、とさまざまな場面でオイシイ思いをしているのは、まぎれもなく“えこひいき”されている人なのです。
ノルマはこなしている。成績もそんなに悪くはない。でも、飲み会に誘われることもなければ、上司からランチに誘われることもない。日々、何となく感じる疎外感があるならば、それはあなたが“えこひいきされていない”証拠ではないでしょうか。
こうした人間関係を「俺はプライベートと仕事は分けているから」と割り切れる人なら別ですが、会社といえども円滑な人間関係を保つ上では、少なからずプライベートと仕事の領域が交差するものです。
では、なぜえこひいきされる人とされない人がいるのでしょうか?
同じスキル、同じキャリアを重ねてきたA君とB君が自分の部下についたと考えてみましょう。最初はどちらも可愛がろうと、上司のあなたはランチに連れ出したり、仕事を教えたり均等外交を心がけることでしょう。しかし、半年も経てば自分の感情の揺れに気づくはずです。
「う~ん。A君の方が付き合いやすいよなぁ……。なんでだろう?」
こう考えた時にA君とB君の違いをあなたは考えるはずです。
「A君は『わかりました!』ってすぐに取りかかるけど、B君はやたらと反論してくるな。周りの連中もA君を中心に飲み会やったり、休みの日に遊びに行ったりしてるな。B君は人の悪いところばかり言うが、A君は褒めることが多い……」
などなど、A君がB君よりも可愛がられている。そして自分もA君をB君よりも可愛がっていることに気がつくのです。そう、人間づきあいには必ず偏りができるものです。
もちろん、B君は面白くないでしょう。なんで同じように仕事をこなしているはずなのに、A君ばかり受けがよいのか。だが、これこそ、サラリーマンが乗り越えるべき出世の壁。サラリーマン人生を決めるのは、実務能力が3割。本当に大事な7割は、周囲との人間関係といっても過言ではないでしょう。
◆えこひいきしてあげたくなる人があなたの周りにもいるはずです
「あ~本当はやりたくない面倒くさい頼みだけど、あの人が言うんじゃ、しょうがないよね。やりますよ!」
なんとなく断れない。あの人からの頼み事なら仕方がないか……と、思ってしまう人は、あなたの周りにも1人や2人いるでしょう。こういった人のことを、実はあなたは“えこひいきしている”のです。このように人に思わせる才能、これはいわゆる人徳というものです。これをわかりやすく言い換えるなら、「えこひいきされるスキル」となるでしょう。
人徳がある人は苦境に陥っても誰かが手を差し伸べるものです。なぜならばこうした人徳がある人が困っているのを目の当たりにすると、あなたは「こんなにたいへんなんだから、僕が助けてあげなくちゃ」と思ったりするはずです。これこそがかわいがられる人であり、えこひいきされる人なのです。
「あいつばっかり、えこひいきされて……」と思っているあなたは、実は“あいつ”になりたい。えこひいきされたいと思っているのです。
えこひいきされるということは、もはや社会人にとっては必須スキル。就職も転職も、社内の立ち回りもかわいがられて、えこひいきされる人が得をするのは火を見るより明らかです。あなたもちょっとだけ、えこひいきされてみてはいかがでしょうか?
人間関係というものは些細なことで変わるものです。だからあなたも考え方や行動をちょっとだけ変えるだけで、きっと周囲はあなたを見る目が変わるはずです。 <文/週刊SPA!編集部・長谷川大祐>
『えこひいきされる人になる』 なぜあの人だけがとても好かれているのか? |
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ