泥酔オンナの脳内で何が起こっているのか

泥酔オンナの脳内で何が起こっているのか

「女性の飲酒人口が増え、それに伴いアルコール依存症も増えています」と語るのは、医師の深間内文彦氏。「国民栄養調査結果」によると、平成元年と17年の比較で、特に20代・50代女性の飲酒習慣者が倍増している。また近年、主婦のアルコール依存症が増加傾向となっているそうだ。

「人間の脳は3層になっており、まず生命にかかわる根幹部分が『脳幹部』で、その上に情動・感情・本能の『大脳辺縁系』があります。さらにその上を覆っているのが理性・判断力などの『大脳新皮質』。もともと本能の赴くまま動きたいところに理性の大脳新皮質が抑制をかけているんですよ」

 ところが、「麻酔薬」の一種であるお酒が、抑制系の神経細胞を抑制してしまうことで、本能のブレーキを外してしまうのだそうだ。

「アルコールの血中濃度と酔いには関係があり、気分がよくなる『ほろ酔い』はビール1~2本程度(日本酒1~2合)で血中濃度0・02~0・1%のとき。それ以上の『酩酊期』(ビール4~6本、あるいは日本酒4~6合)では千鳥足や同じ話を繰り返し喋る、支離滅裂、大声を上げるなどの症状が出現し、さらに飲酒量が増えると、嘔吐や一時的に記憶がなくなること(ブラックアウト)、やがて昏睡状態になり、最悪の場合は死亡にも繋がります」

 酩酊状態には、「普通酩酊(単純酩酊)」「異常酩酊」があるが、異常酩酊のうち「興奮して人が変わったようになる」「記憶がなくなる」などのいわゆる”酒乱”は「複雑酩酊」といい、これは過度の飲酒が引きがねになりやすいそうだ。

「お酒は、女性ホルモンへ影響を与えやすく、エストロゲンが分解酵素を抑制してしまうことから、生理前は酔いやすいです。また、女性は短期間でアルコール依存症になりやすい傾向もあります」

 では、酔っ払いの予防法と対処法は?

「予防としては『人への依存が満たされないと、モノに依存する』と言われるように、依存症の方の場合、心が満たされていない場合が多いので、奥さんや恋人なら、普段から話を聞いてあげましょう。また、飲酒時に注意したいのは、呼びかけに応答があるか、呼吸が乱れていないか、アルコール中毒に注意することです。千鳥足レベルでも一人にはせず、送り届けるほうがいいでしょう」


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深間内文彦氏
榎本クリニック院長。専門はアルコール依存症。
共著に『かくれ躁うつ病が増えている―なかなか治らない心の病気』。

http://www.enomoto-clinic.jp/

取材/港乃ヨーコ 取材・文/田幸和歌子 藤村はるな 長谷川大輔・安田はつね(本誌)
イラスト/Mr.眼鏡

― オンナの泥酔行動が異常進化【7】 ―


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