ゲーム業界[コラボブーム]の裏側
―[ゲーム業界[コラボブーム]の裏側]―
制作者の思い入れか、それとも売り上げアップの秘策か。ゲーム界に次々と登場するコラボタイトル。今年は特に、異なるメーカーの人気シリーズ同士がタッグを組んだ“本格的コラボ”が目立っている。今冬は、どんなタイトルがこのトレンドに拍車をかけるのか? その裏側をリポートする
◆人気シリーズが合体!コラボ時代の到来か!?
かつてはタブーと言われたメーカーの枠を超えたコラボが、ここ数年で急増している。人気キャラがゲスト出演するというのは今や当たり前で、2つのシリーズが融合して新たな作品が生まれる例も珍しくない。特に今年は、誰もが度肝を抜かれた異色コラボ『ポケモン+ノブナガの野望』や、格闘ゲーマーの長年の夢だった『ストリートファイター X 鉄拳』が実現。本格的なコラボ時代の幕開けと言ってもいいだろう。
この年末にもコラボタイトルがラインナップされている。11月29日に発売予定の『レイトン教授VS逆転裁判』は、どちらのシリーズも単独で大ヒットを狙えるブランド同士のタッグ。2大アドベンチャーゲームの共演とあって、一般層へのアピール力も強い。
また、新ハード・Wii Uのローンチタイトルである『鉄拳タッグトーナメント2 Wii U EDITION』には、キノコを採るとキャラが大きくなる『スーパーマリオ』のシステムが、新対戦モードに取り入れられている。
こうしたコラボが急増する背景にはいくつかの理由がある。ひとつは、人気シリーズが歴史を重ね、キャラが一本立ちできるまでに成長したこと。そこに、アメコミの世界ではおなじみの「クロスオーバー」という手法が持ち込まれ、ゲーム界にも定着した。
経営的な面からは、ソフトの売り上げが以前よりも落ち込み、メーカー側が少しでも話題作りをしたいという思惑も見える。また近年、海外メーカーが力を持つようになり、それまで明確に商売敵だった国内メーカー同士の風通しがよくなったという環境の変化もあるだろう。いずれにせよ、今後もしばらくこのブームは続きそうだ。来年あたりは、「スーパーFFオブ無双ハンターソリッド教授」なんて夢のゲームが出たりして!?
文/ゲームコラムニスト・卯月 鮎
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