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「保活」を甘く見ると家族崩壊にさえ繋がりかねない

 待機児童問題が叫ばれて久しいなか、子供を保育園に入れる活動、通称「保活」も激化の一途を辿っている。「なんとか我が子をいい保育園に入れたい……」。そんな思いで各家庭が鎬を削る裏では、壮絶な保活に巻き込まれ、悲惨な目に遭う家族の姿があった。

保活,父親,イクメン 

のんきに構えていたらしっぺ返しを喰らってしまった加藤さん(仮名)

「極論を言えば、保活は子供を4月に認可保育園に入れられれば“勝ち組”なんですよ」と話すのは世田谷区在住の会社員・加藤憲次さん(仮名・33歳)だ。

 自治体によって差はあるが、保育園は「認可保育園」(国の認可施設)と、その他の「認可外保育所」に大分される。前者は料金も安く設備も整っているため、自然と多くの親が子供を預けようとする。だが、そのような親たちのニーズに対して、認可保育園の“預かり枠”は足りていないのが現状だ。

 特に人口密集エリアではその“需要と供給”のギャップが深刻化し、世田谷区では’12年度の認可保育園に入れない「待機児童」の数が786人にも上っている。加藤さんの長女(2歳)もその一人だった。

「思い返せば、生後1年間は手元で育てようと思ったのが間違いでした。というのも、1歳児の4月入園枠は、0歳からの繰り上がりばかりで枠が少なく、“超”狭き門なんです。妻は娘の0歳時から『どうするのよ!?』と焦っていたけど、僕は『どこかに入れるだろ』くらいの感覚だった。申し込み書類は妻のダメ出しで何度も書き直し。区役所に申し込みに行く際も『(同情を誘うために)あんたは私の隣で暗い顔をしてて』と同行させられ、疲れているのにダルいなぁなどと思ってたら……」

 希望した認可保育園8箇所、すべて落っこちたという。

「おぉ、マジかよと。世田谷区は激戦区だとは聞いていましたが、まさかここまでとは……。焦って近所の認可外保育所にかたっぱしから電話したのですが、そっちも全然、空き枠がなかった」

 ようやく事の深刻さに気付いた加藤さんとは裏腹に、その頃から妻に異変が起き始めたという。

「育児ノイローゼだったのか、ツイッターで、『危うく娘に手が出そうだった』とつぶやいたり、唐突に泣き出して、娘を置いて家出されたこともありました。妻はフリーランスの仕事も続けていたので、育児の忙しさが重なって相当ストレスがあったんでしょうが……」

その後、懸命な保活のかいあって、なんとか家から遠い認可外保育所に預けられることになった。「送り迎えは片道30分もかかるし、保育費用も月6万円強(認可だと平均3万円台)と高額ですが、ほかに選択肢もありませんから」

 4/2発売の週刊SPA!では、「パパが見た[保活地獄]の阿鼻叫喚」という特集記事で、「保活」に翻弄される家族の肖像を父親の視点からリポートしている。 <文/週刊SPA!編集部>

週刊SPA!4/9・16合併号(4/2発売)

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