放射能避難組で沖縄にプチバブル到来!? その複雑な内情【後編】

⇒【前編】はこちら http://nikkan-spa.jp/414541

 震災直後の福島原発事故により、放射能パニックとなった東日本。目に見えない恐怖から逃げるように、関西や九州、そして沖縄へと移住を決断した人は多い。特に沖縄へは有名人などもこぞって避難、移住するなどし、注目を集めた場所でもある。

 だが、こうした放射能避難組を巡って、沖縄ではちょっとした嬉しいようなイラつくような、なんとも複雑な問題が起きているという。【前編】では、ヒステリックな言動によるトラブルを紹介したが、話を聞いた記者によると、沖縄の経済事情がさらなる問題を引き起こしているという。

「沖縄の経済は非常に悪いんです。観光以外の産業が乏しいため仕事がありません。移住者もそれは同じで、仕事がないまま沖縄に来てしまい、生活保護を申請するケースが目立つようになってきたのです」

 放射能でパニックになって避難してきたはいいが、仕事もなく貯金も底を突き、生活保護の申請をする避難者もいるという。福島などの避難区域からの避難者ならまだしも、実情はそうとも限らないようだ。

「放射能パニックでノイローゼになり、東京から避難したものの仕事も決まらず貯金も使い果たして鬱になってしまい、生活保護を申請したケースもあります」

 いずれにせよ、招かれざる客にしか思えないのだが、意外や意外、地元の沖縄県民や震災前からの移住者からは好意的な声が聞こえてくるのである。沖縄に移住してカフェを経営する男性に話を聞いた。

「確かに『ちょっと思い込みすぎじゃないか……』とも思います。でも、彼ら移住者のおかげで沖縄移住者が潤っているのも事実。移住してきたアーティストが主宰するイベントに出店することで売り上げが伸びました。そのイベントに来てくれた方が店にも来てくれるようになったし、内地からわざわざイベントにやって来る方も多いので、震災以降、売り上げが増えているのは事実です」

 沖縄に移住した人の多くはカフェなどの飲食店、工芸品の製作や販売を営むことが多いという。いずれも経営的には難しい店が多いのが現状なのだが、移住したアーティストやその周辺の避難組の人脈により、売り上げが伸びているというのだ。最初に登場していただいた転勤して7年の男性に、再度話を聞いた。

「ウチナーはウチナー同士、ナイチャーはナイチャー同士で集まるのが沖縄です。表面上は仲良く、仕事も一緒にしたりしますが、何というか、わかり合えないというんですかね……。先日も飲み屋でナイチャー同士がこんな会話をしてました。『俺はすごく沖縄に溶け込んでるぞ!』『いや、俺のほうが溶け込んでる。だって、俺、一緒に飲みに行けるウチナーの友達が2人もいるんだぜ!』。これが沖縄の地元民と移住者の現実なんです。だから、避難してきた移住者も当然、ナイチャーのコミュニティに入るわけで、そういったナイチャー系のお店などに溜まったりしてカネが落ちているのです。たいして旨くもないナイチャーの人がやってるカフェなんかが連日、賑わったりしていますね。ちょっとした移住者バブルが起きているのは事実だと思います」

 なんとも複雑な社会が出来上がりつつあるのは事実なようで、ウチナー、ナイチャーともに喜んでいいのか、賛否が分かれているようだ。どうやらヒステリックな面に目をつぶれば、沖縄にとって避難移住した人たちはプラスに働いているようにも思えるが、本土に住む者にとっては“なんのこっちゃ”という気がしないでもない。だが、こうした移住者を素直に歓迎している人たちがいるという。

「ある基地反対派グループの人たちは『仲間が増えた!』と喜んでました。まぁ、同じ“系統”ですからね……」(地元紙記者)

 とにもかくにも“なんくるないさ”で、なんとなく丸く収まっているような気もするのだが……。これもまた沖縄ならではと言うことか。

<取材・文/本誌沖縄特捜班>

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