“上から目線”新入社員の中途半端な向上心
―[[2013]新入社員の観察報告]―
上の世代から「ゆとり」と蔑まれ始めているのを見て育ち、中高生時代にはSNSが登場。「ソーシャル」とともに思春期を送ってきた。この4月にやってきたのは、そんな時代を生きてきた若者だ。ソー活が流行し、就活の鉄板ネタは「震災ボランティア」と意識が高そうだが、括りとしては「第3次ゆとり世代」とまだまだゆとり枠。現場からの最新の観察報告をリポート!
<意識高すぎ ウエメセくん:遭遇率60%>
向上心があるのはいいが、就活情報誌などに踊らされすぎた結果、意識だけが飛びぬけて高い。なぜか自信満々で、常に上から目線で会話をする。注目されないとモチベーションが上がらず、また、少しでも難しい壁にぶち当たると心が折れ、「もっと自分にふさわしい場所があるはず」と、すぐ転職してしまうのも特徴
◆実績がないのに、意識だけはエベレスト級!
自信に満ちあふれ、痛い方向に意識が高い新入社員も急増中だ。
「グループ面接で、『御社の問題点は何ですか?』となぜか上から目線で質問してきた学生がいた。『食堂がイマイチかな』と切りかえすと、『そういう意味じゃなくて。営業方針の問題点ですよ』と。本人は意識の高さをアピールしたつもりだろうが、一体お前は何様だよ(怒)。さすがにイラッとしたので『同じことをほかの会社で言ったら落とされるよ』と注意すると、あからさまにふてくされた顔をしていた」(商社・31歳)
ほかにも、「説明会で、こちらの説明が終わらないうちに手を挙げ、猛烈な勢いで質問をしてくる学生がいた。しかし中身のない質問で、とにかく目立ちたい、褒められたいだけ。評価されないとすぐに辞めてしまう」(食品・36歳)と、その根拠なき自信とプライドは、もはやエベレスト級だ。
「懇親会で『この会社には在籍しても3年くらいです』と堂々と言い放ったヤツがいた」という例や、「上司の前で『いずれはもっと大企業に転職したい』と言えてしまえるのが怖い」など、悪気もなく突っ走るウエメセ新入社員たち。
中途半端な向上心があるので、このタイプは余計に扱いづらい。
取材・文/宮崎智之
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