MLB日本人所属チームを分析【ヤンキース編】<後編>

⇒【前編】老いてボロボロ……なはずが予想を裏切る好調ぶり ◆黒田博樹投手の頑張り!  6月1日時点で黒田博樹投手は6勝4敗、防御率2.59。登板した11試合中10試合で自責点3点以下、6試合で7イニング以上投げている。他の先発陣では、2009年から押しも押されもせぬヤンキースのエースとして大黒柱になってきたC.C.サバシア投手が今季ここまでピリッとせず、アンディ・ペティット投手とイヴァン・ノヴァ投手は故障者リスト入り。今年27歳とヤンキースでは若手のデビッド・フェルプス投手はそれなりに頑張っているが、やはり27歳のフィル・ヒューズ投手は良い時と悪い時の波が激しい。正にニューヨーク・タイムズにも書かれていたように、黒田投手の頑張りがなければヤンキースはもっと苦しいことになっていただろう。 ◆イチロー選手の復調は……?  シアトル・マリナーズに所属した最後の年、2011年と2012年前半は成績が低迷していたイチロー選手だが、2012年後半のヤンキースでの成績は打率.322。だが今季は、4月は好調だったのに5月に入って低迷し始め、6月1日時点での打率は.260。「年齢的な衰え」というのはよく言われる言葉だが、正直イチロー選手がさほど「年齢的に衰え」ているようには思えない。以前に比べればほとんど1割近く打率が下がってしまう理由が見当たらない。打順が上位であろうが下位であろうが、きっとまた前のように打つようになると思っているのは私だけだろうか。 ◆これからが正念場、ジラルディ監督のお手並み拝見  2007年に名将ジョー・トーレ監督が去った後、現ジョー・ジラルディ監督と並んでヤンキースの監督候補であった、現ロサンジェルス・ドジャースのドン・マッティングリー監督が、先日低迷するドジャースについて「才能だけあっても、根性がないチームでは勝てない」と一部選手やフロントに対する批判を述べた。ジラルディは1996・98・99年ワールドシリーズ優勝当時ヤンキースの捕手で、2006年にはフロリダ・マーリンズの監督を務めてナショナル・リーグ最優秀監督賞を受賞している。今のヤンキースが才能の足りない部分を根性で補っているのなら、才能の十分な選手たちが戻ってきた時、まだ根性は十分だろうか。シーズンはまだ始まったばかり、これからがジラルディ監督の腕の見せ所である。 <取材・文/NANO編集部> 海外サッカーやメジャーリーグのみならず、自転車やテニス、はたまたマラソン大会まで、国内外のスポーツマーケティングに幅広く精通しているクリエイティブ集団。
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