ポルシェとフェラーリはどっちがすごいのか?
路頭に迷いかけたところを拾ってくれた師匠(MJブロンディ)がフェラーリ至上主義者にして大乗フェラーリ教教祖だったため、本当はポルシェが大好きなのに、その気持ちを胸の奥に仕舞い込んできた下流自動車評論家マリオ高野が反逆宣言! 内気なマリオに師匠への謀反を決意させた新型ケイマンの魅力とは? もう“ポルシェ愛”が止まらない!
マリオ高野=文 Text by Mario Takano
池之平昌信=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu
◆愛が止まらない。毎日乗りたい派はフェラーリよりポルシェを選べ!【後編】
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昔から「フェラーリとポルシェはどっちがすごいのか?」と問う声がよく聞かれますが、自分の場合は「1台ですべての面において満足したい」と望むタイプのクルマ好きなので、今後は微塵も迷わずに「ポルシェ!」と叫ぶことを決意しました。
かくいう自分も、かつてバイト先で、お客のフェラーリ512TRのアクセルをベタ踏みした時、この世のものとは思えぬ凄まじき官能的サウンドに「神」を見た経験がありますが、フェラーリは尊敬と畏怖の対象であって毎日乗るものではありません。フェラーリ以外にもクルマを持てる人はいいですが、例えば郊外で暮らす若者が、生活費を切り詰めてクルマにすべてを投じる生活を送る場合、フェラーリだと日常の足代わりにはできないので、通勤や買い物などに使えません。ボロボロの軽自動車を足代わりにする手段もありますが、せっかく大金をはたいてガソリンを燃やすのですから、その代価として快感が得られない移動を行うのは実にモッタイナイ。
しかし、日常の足としてもガンガン使えるポルシェなら、ちょっとコンビニまでマンガを立ち読みしに行く程度のドライブでもヨダレを垂らしそうになる快感が得られるのです。日常の移動で疲れた身体を癒し、覚醒させてくれる喜びはフェラーリでは味わえません!
またポルシェは、“最新が最良”と言われる一方で、昔から年月や距離を重ねても味わいが劣化しにくいことでも定評があります。今回は走行距離が2万kmを過ぎたボクスターにも乗ってみましたが、コレがまた良い感じに馴染みまくり、トロけるような味わいになっておりました。ポルシェなら、私のインプレッサのように20万km乗り続けても飽きることなく愛し続けられるので、走行距離が伸びるのをビビって、月イチしか乗れないフェラーリとは違う! うおおおおスキスキ、ポルシェ!!
【結論】
フェラーリと違って毎日悶絶できる充実のカーライフを与えてくれるポルシェこそが庶民のためのスーパーカー! 貧窮生活にあえぐ下流人間が欲すべきはポルシェなのです。ポルシェを買わずに死ねるか!
ハンドルは左右選択可能。エネルギー回生やアイドリングストップなどのエコ機能も備わる。電動リアスポは時速120kmで作動。ボンネット下には容量150リットルのトランクも
旧型よりも全長は60mm伸び、格上の911っぽい雰囲気が強まった。7速デュアルクラッチ(2ペダル)は高性能で文句はないが、6速MTのほうが気持ち良さは2割増となる
― 愛が止まらない。毎日乗りたい派はフェラーリよりポルシェを選べ!【2】 ―1973年大阪生まれの自動車ライター。免許取得後に偶然買ったスバル車によりクルマの楽しさに目覚め、新車セールスマンや輸入車ディーラーでの車両回送員、自動車工場での期間工、自動車雑誌の編集部員などを経てフリーライターに。その後、群馬県太田市へ移住し、現在は太田市議会議員に。X(旧Twitter):@takano_mario
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