「痩せる」と話題のサバ缶。体質によっては痩せない場合も!?
テレビの健康番組で「努力しないでも痩せる」と紹介されて以来、サバ缶(主に水煮缶)が品薄状態になっているとか。何度も何度も、こうして「痩せる」食品が出ては品薄という状態を繰り返し、一向に痩せてる人が増えていないのは実に不思議だが、そうは言ってもやはり気になってしまうのは人間の性。
果たして、なぜサバ缶で痩せるのか?
「番組中でも解説していましたが、痩せる、というか太りにくくなる決め手となるのはインクレチンホルモン、細かく言うとGLP-1という消化管ホルモンの作用によるものです。GLP-1はすい臓からのインスリン分泌を促進するため、糖尿病治療などで使われてきました。最近では、脂肪肝の改善に効果があることや、満腹感を得やすくなり食欲抑制効果があることもわかってきています」というのは、都内でトレーナーをしているサプリメントマニアのK氏。
このGLP-1の分泌を促すのがサバ缶などに豊富に含まれるDHAやEPAと言われる、魚油などに含まれる脂肪酸の類なのである(ちなみに食物繊維もGLP-1の分泌を促す)。
「DHAは以前も“頭が良くなる”とか騒がれましたよね。昔からあるサプリです。私もフィッシュオイルのサプリを飲んでましたが、ソフトカプセルを誤って噛んで口の中で破ってしまったら中の魚油が口の中に溢れだして物凄く生臭くて参りました(笑)。
話が逸れましたが、そもそもEPAやDHAを多く含むのはサバ缶だけじゃないんです。サケの水煮缶や、中骨の缶詰、サンマやイワシだって多く含みます。また、最近の研究ではカレーなどに使われるウコンに含まれるクルクミンもGLP-1分泌を促すと言われているんです。だからサバ缶だけに頼る必要はないんですよ。それに、“太りにくくなる”し“痩せやすくなる”と言えるのでしょうが、サバ缶だって何も運動しないで食べ過ぎれば太りますよ、そりゃ。あと、塩分の摂り過ぎや重金属の蓄積も気になります。そればかり食べてたらやはりダメでしょう。
あ、あと京都大学の研究チームがネイチャーで発表した研究によると、体内に入ってきた脂肪をセンサーのように感知する受容体であるGPR120の遺伝子配列に異常があるとGLP-1がうまく分泌されないという結果になったそうです。で、このGPR120というのはEPAやDHAが結合する受容体なんですね。要するに、GPR120にGLP-1を分泌させるための鍵の鍵穴がぶっ壊れていると、その鍵になるEPAやDHAを挿しこんでも一向にGLP-1が分泌されていないというわけ。そんな人はせっかく買い溜めしても意味ないかもしれませんね」
<取材・文/日刊SPA!取材班>
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