東京五輪開催決定前に仕込むべき株
いよいよ五輪の開催地が決定する。ダレ切った夏枯れ相場を活気づける一番の材料になるのは間違いなし! 今から買っておくべき五輪銘柄はどれか?
「東京五輪が決まれば1年以内に日本株の上昇局面がきます。シドニー、アテネ、北京、ロンドン、リオ、いずれもそうでしたから」
力強く語るのは、日本株予想の当たり屋として知られるSBI証券シニアマーケットアナリストの藤本誠之氏。’20年五輪開催地の決定は9月7日。マドリード、イスタンブールとの競り合いだが、「裏では東京に決まった」なんて情報も出回っている。東京五輪の経済効果は3兆円とも試算されており、株式市場へのインパクトも十分だ。アベノミクスに次ぐ相場のテーマとしても期待されるが、どんな「五輪銘柄」があるか。
◆ド本命はゼネコン&大手不動産だが……
「大規模な建設プロジェクトが目白押しになりますから、最も恩恵を受けるのはゼネコン。首都圏に強い大成建設をはじめ、大手は軒並み絡んでくるのでは」(藤本氏)
国立競技場の建て替えなど大規模な建設事業を受注し、業績拡大へ――。シナリオはシンプルだ。先取りするならこんな銘柄も。
「首都高が建設されたのは’64年の東京五輪時。それから50年が経過していますから、前倒しで改修をという話にもなりそうです。あるいは羽田空港の拡張なんて話にもなるかもしれない。そのときは道路舗装最大手のNIPPOが注目される。PBRは1倍を割っていて割安感もある」
そう分析するのは元三菱UFJ証券アナリストの有賀泰夫氏。PBR1倍割れの割安水準にあれば買いやすい。
「先取りということでいえば、リニア新幹線にも注目です。東京五輪に合わせて新幹線を整備したように、現段階では2027年に開通予定のリニア新幹線を’20年に前倒しするなんて話が出てくる可能性もあります。そうなれば鉄道インフラ大手であり信号会社トップの日本信号。ここはPERやPBRから見て割安感もある」(有賀氏)
また新国立競技場と並ぶ東京五輪の二大プロジェクト・選手村の建設にも注目を。
「晴海地区に事業規模920億円で建設予定ですが、ここには三井不動産や三菱地所、住友不動産などがマンションを建設中。東京の地価上昇も見込めるし、五輪後には選手村の跡地再開発も注目される。本命は大手不動産だと思っています」(藤本氏)
藤本氏ならではの意外性のある銘柄も。
「よみうりランドと東京都競馬です。両社とも都内に広大な土地を持っていて、地価上昇が市場のテーマになると上がりやすい。大手不動産もいいですが、こうした小型株は上がり出すと早い。マジメな投資家が『なんで五輪で競馬と遊園地が買われるんだ?』と悩んでいるうちに、どんどん上がっていくんです(笑)」
⇒【次回】「東京五輪を見越して9月7日以前に仕込むべき株」に続く https://nikkan-spa.jp/499735
【藤本誠之氏イチ押し!】今から仕込むべき五輪銘柄10選
●大成建設・ゼネコン[東1・1801]
株価412円⇒目標株価500円
大本命業界はゼネコン。なかでもココは首都圏に強く、業績への寄与度も高そう。トルコに決まっても上値余地アリ
●三晃金属工業・インフラ[東1・1972]
株価241円⇒目標株価350円
西武ドームの屋根などに実績。競技場への屋根敷設などの大型受注に期待。年初来高値から2割安の水準で値ごろ感も
●東京都競馬・土地持ち[東1・9672]
株価416円⇒目標株価550円
五輪のメインエリアとなる湾岸地区に広大な敷地で競馬場を展開。地価上昇により不動産がテーマとなれば
●ALSOK・警備[東1・2331]
株価1882円⇒目標株価2300円
警備サービス2位だが招致スポンサーであり五輪警備での大規模受注が期待できる。所属選手の活躍にも期待
●ジャパン・ホテル・リート・REIT[東R・8985]
株価3万9400円⇒目標株価4万5000円
外国人旅行者の需要増に期待するなら、ヒルトン東京ベイなどを組み入れたホテル特化リートのこの銘柄を
【藤本誠之氏】
SBI証券。銘柄的中率の高さ、福々しいご尊顔から「相場の福の神」のあだ名を持つ。SBI証券で定期的にリポート、コラムを配信中
【有賀泰夫氏】
H&Lリサーチ。三菱UFJ証券などでアナリストとして活躍したのち、独立。月次の売り上げや収益をもとにした小型株の分析に定評
※株価は8月19日終値
― 祝・東京五輪(予定)![9月7日以前]に仕込むべき株10選【1】 ―
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