更新日:2014年03月14日 21:40
仕事

元外資系金融マンの悲哀「あんな高給が長く続くわけがないと思っていた」

 一時は高額すぎる年収が批判の的になった外資系金融。山下和之さん(30代・仮名)はクビになったばかりだ。
転職組

「あんな高給は長くは続かない。もとの年収300万円時代に戻っただけ」と山下さん

「最初に入社したのは’90年代後半の就職氷河期で、小さなシステム会社。そこでSEとして働いていたのですが、米系投資銀行で働く留学時代の友人に『人材を募集してたら教えて』と声をかけておいたら、たまたま株の売買システムのフロアサポート業務で空きがでたんです。年収300万円のしがないSEから800万円になりました。最高で1500万円もらった年もありましたね」  さらに’06年には「トレーダーやらないか?」とフロアのボスに声をかけられ、たまたま外資系トレーダーに転身。 「エグゼキューション・トレーダーといって、顧客からの売買注文を受けて執行するトレード業務に就きました。数百万円から数億円の注文を100件ほど同時に処理する職人。1銘柄で100億円の注文を受けたこともありますよ」  我が世の春を謳歌していたが、リーマン・ショックの影響で山下さんは’12年にリストラの対象に。 「実質的なクビですね。トレーダーといっても執行するだけで、『ミスなくやって当然』と見られる仕事。人の役に立っている気がしなくて、つまらなかった」 「ガレージ付の家に住みたいね」と妻と話し、在職中に都内一等地に一軒家を購入。今、山下さんはコンサルティングを、妻はガレージで雑貨製作などをしているという。外資系金融で働いていた頃と比べるとだいぶ生活水準が落ちたと思われるが? 「もともとあんな高給が長く続くわけがないと思っていましたから。外資で働く前の年収300万円時代に戻っただけ。多少の貯蓄もあるし、今は住宅ローンを返しながら、食に困らない程度に生活できれば十分幸せですよ」  週刊SPA!2/4発売号では「[流行企業]転職組の今」という特集を組んでいる。成長産業に転職した人びとが「勝ち/負け」を自己申告。転職を考える方はぜひご一読を。 <取材・文/週刊SPA!編集部>
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