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ゼネコンから清掃会社に「異業種転職」した人のその後

 アベノミクス景気を背景に、活況を呈する転職市場。そんななか、自分の人脈やキャリアを前提とした「同業他社」への転職よりも、ある意味「イチから出直し」感の強い「異業種転職」が急増しているという。実際にアンケートを取ってみると、転職者全体のなかで6割もの人が「異業種転職」を果たしていた。

 ここでは「異業種転職」のケースのひとつを紹介しよう。

◆ゼネコン⇒清掃会社。異業種転職先に女性経営者を選んだワケとは?

ゼネコン時代の飯田さん(仮名・38歳)

ゼネコン時代の飯田さん。現在、ゼネコン業界は好調だが、「2020年の東京五輪以降は不安。将来性という点も転職理由のひとつ」と語る

 仕事は重要だが、既婚者にとってはそれ以上に家族が大事。それが転職動機になることもある。

 2年前まで中堅ゼネコンの住宅部門で働いていた飯田佳宏さん(仮名・38歳)は毎日残業で帰宅は23時以降。週末も展示場業務で「子供の寝顔しか見られない時期が続くこともあった」と振り返る。

「当時の年収は約500万円。転職を妻に相談しましたが、当初、彼女は転職に反対でした。でも、僕が過労で体調を崩すようになると、考えを一転。余程辛そうに見えたんでしょうね」

 新たな職場に選んだのは、清掃員派遣会社の営業マン。前の会社とは比較にならないほど小さく、年収も50万円ダウンの約450万円だが、これも納得済みだという。

「上場企業から社員20人の会社に転職して、1割減で済んだのはむしろラッキーなくらい。それよりも残業はあっても週2時間程度ですし、休日出勤は一切ない。自分が求めていた理想の職場ですね」

 だが、その辺は入社してみないとわからないのでは?

「募集広告の内容がウソのところも多いので悩みましたが、女性経営者の会社の求人に応募すればいいと考えたんです。女性が働きやすい職場の可能性が高いですし、本当にそうなのかは面接で確認すればいいので。だから、業種はどこでもよかったんです」

 とはいえ、ある程度の業界分析は行っていたという。

「以前から需要のある分野として注目しており、ゼネコン時代には清掃事業部門を作る計画もあったほど。異業種でも今までの経験や人脈が生かせると思い、転職する業種の一つに挙げていたんです」

 実際、付き合いのあったハウジングメーカーから住宅展示場の清掃の大口契約をゲットするなど会社の業績アップにも貢献。もはや欠かせない存在になっている。

「ある程度の裁量権を与えられているので仕事の効率はゼネコン時代よりもいいですね。自分が責任者なので、アホな上司にハンコをもらう必要もない。女性が多い職場なのでセクハラと疑われないように言動や態度には注意しますが、せいぜいその程度です」

 8/5発売の週刊SPA!に掲載されている特集『異業種に転職した人のリアル』では、上記のようなケースを計8本掲載。「年収ダウン」も覚悟の上の異業種転職組だが、彼らは何を求めて新天地へ移ったのか? また、異業種転職者100人に「異業種転職後の年収」「満足度」「動機」「苦労していること」などについてアンケートを敢行。

 35歳以上の転職が常識となった今だからこそ、最新の転職事情のリアルにこの特集で触れてほしい。 <取材・文/週刊SPA!編集部>

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