ブラック企業の“大手”社員が激白「すでに社畜化してますね」【後編】

ブラック企業――。
過酷な労働条件や驚くほどの低賃金で働かされる企業を指すこの言葉だが、一部上場企業でもそんなブラック企業は少なくない。

今回、一部上場企業にも関わらず、その企業名をGoogleで検索しようとすると、検索候補の3番目くらいに「○○社(企業名)+ブラック」と出てくる、まさにブラック企業の大手とも言える会社に勤める30代男性に接触。その実態を聞いてみた。

インタビューに応じてくれた男性は、関西の大学を卒業後その企業に入社した、入社9年目になるバリバリの中堅どころだ。

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 アリのように働くことは、通常業務以外でも要求されるんですよ。

――というと?

 まず運動会ですね。どんなに業績が悪化してきても、「不況下でもビクともしない」アピールのために、必ず遊園地の敷地を借りて、全国の社員を集めて行われます。出欠は出世に影響するのは当たり前。だから、完全に社畜化してる奴なんかは、ここぞとばかりに無駄に張り切るんですよ。

 他社の運動会って見たことないのでよくわからないんですが、子供のころと違って、「足並み揃えて行進」とかしませんよね? そもそも社員や社員の家族の福利厚生の一環というかレクリエーションでしょう?

――そうだと思います。

 それがウチの場合、全社員足並み揃えての行進をやらされるんです。テントの中で、会長や社長は、酒を飲みながらそれをうっとり眺めているっていう……。

――「俺たちの働きアリが行進しておる」みたいな感じですかね。

 そうそう、それです。

「一斉に何かをやる」ってのは朝礼でもそうですね。朝礼では毎回必ず会社からの「ありがたい訓示」を全員で唱和させられるんです。

――どんな訓示なんですか?

 最近だと、「困難なときほど倍働く」ですかね。他には、「モットーはハードワーク」とか。これって、自分たちが自発的に言うならまだわかるんですけど、雇用者の側が言わせる話じゃないですよね(笑)。「倍働く」はいいけど、「倍給与」はないわけだし。

――まぁ毎年年収も減ってるわけですからね

 まぁ、定時にタイムカード押してから席に戻って残業、とかは当たり前ですよね。あと、ウチは始業が8時なんですが、新人のうちは7時半までに会社にいないとダメという暗黙の掟があるんで、会社にいる時間はそうとう長くなるんじゃないですか?  僕なんか、残業100時間くらい行っても残業代いっさいなしって時もザラでしたから。

 それに休みとかも凄いですよ。有給休暇ありますよね。有給休暇ってのは、休んでも給料が出るわけじゃないですか。ウチの場合は、有給休暇を一日取るごとに、ボーナスから一万円引かれるんです。法律で決まっている「付与日数」を全部消化したらそれだけでボーナス激減ですよ。

 あと世間の人は、大型連休とかで有給を上手に組み合わせて長い連休にしますよね? ウチの場合、飛び石連休を有給を使って繋げようとすると、上司から「これじゃ三連休じゃないか!」と言われ取れないんですよ。結局、なんでもない平日に休まざるを得なくなるんです。

 まぁ、端的に言えば「休み=悪」という空気が支配してますね。

――なるほど。不満とかはでないんですか?

 いやー、辞める奴はたくさんいますし、残る連中は完全に社畜化してますよ。上司なんか、朝礼の訓示をまとめた書類を常に持ち歩いて、その引用でしか部下に講釈を垂れることができない奴もいます。 「それはお前、ここだよ、ここに書いてあるだろう」とか、「おい、お前はちゃんとこれを読んでるのか?」とか。

 さらに、定年退職する社員の送別会なんかも、「俺は社長と話したことがある」とかいう、ホンット、どうでもいい自慢話とか聞かされますからね。

 年が近い先輩社員なんかも、僕が愚痴をこぼしても「どこもこんな感じだって」って言うんですよ。

 すでに社畜化してますよね。本当にどこもこんな感じなんですかね?

取材・文/日刊SPA!編集部

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