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長友佑都「一時期はサッカーをやめようと思っていた」

長友佑都 名門インテルで不動のレギュラーにして、現在は日本代表の一員としてアジアカップで活躍を見せている長友佑都。しかし、彼は半年前、ブラジルでの惨敗を受け、サッカー選手としての「引退」を考えたほど思い悩んでいたという。いかにしてどん底から這い上がったのか。侍の“魂の叫び”を伝える。

 ’14年夏。長友佑都は4年間待ち望んでいた自身二度目となるワールドカップの地、ブラジルのピッチへと降り立った。南アフリカでの前回大会を経て、彼はこの大舞台で活躍することだけを考えてきた。だが、結果はご存知の通り、グループリーグ突破はおろか、1勝もできないまま日本代表は大会から姿を消すことになった。

「思うような結果が出なくて、なんと言っていいのかうまく表現できないのですが、燃え尽きたというか……サッカー人生において初めて先が見えない状況でした」

 このまま自分は立ち直れないんじゃないか――。そんな思いに駆られ、寝られない日々が続いた。言葉を失い、目標すら失ってしまった。思い悩む日々。先のことなんて考えられない。まさに“絶望”という状況に陥っていた。

 ワールドカップが終わって1か月後、セリアAは新たなシーズンの開幕を迎えた。しかし、長友の調子はなかなか上向くことはなかった。怪我や体調不良、そしてチームの不調など、さまざまな試練が訪れる中、思うようなパフォーマンスを出せずにもが苦しむ日々を送っていた。

「本当に『目標』が見えない状態でした。僕自身の人生の原動力というのは『目標』なんです。『世界一のサイドバックになりたい』というものもそうですし、常に『目標』がはっきりしていることが、日々のトレーニングやプレー、そしてプライベートの充実に繋がっていたわけです。『目標』を達成するために、今、何をしなければいけないのか、逆算して考えて行動をする。そういう日々を送っていた中で『目標』が見えないということはなかった。それがなくなったときに、正直どうすればいいかわからない状態で……一時期はサッカー自体をきっぱりやめようかな、と思ったくらいでした」

 頭をよぎった「引退」の二文字。だが、現在、長友は日本代表の一員としてアジアカップ連覇に向けて、誰よりもアグレッシブに、ピッチ狭しと躍動している。

「ちょっと観念的な話になってしまうんですが、悩みながら『なぜこんなふうにサッカーが楽しくないのか』と自問自答しているとき、僕自身『サッカー選手・長友佑都』であろうと、考えすぎていたことに気付いたんです。本当はそれ以前に『人間・長友佑都』という、誰にでもあるような悩みや苦しみというものがあるのに、それを出すことは『サッカー選手・長友佑都』でなくなることだ、と思ってしまっていた。常に周囲が求める人間であらなければいけない、と自分を追い詰めていたんです」

 ふくらはぎ痛とコンディション不良などが重なり、長友は昨年10月9日のジャマイカとの親善試合でプレーしたのを最後に、約1か月、長期離脱を余儀なくされた。その間、自分としっかり向き合い、悩みに悩み抜いた。そして導きだした答えが、「人間・長友佑都」に正直になる、ということだったのだ。

取材・文/週刊SPA!編集部 撮影/杉田裕一(bghe)

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