松本山雅FC・反町監督、今年の目標は「トップ15に入ること」
地域密着型のスモールクラブを一から育て上げることに生きがいを感じる異能のサッカー監督――それが松本山雅FCをわずか3年でJ1に昇格させた反町康治である。現役時代には高校で全国を制し、「サラリーマンJリーガー」としても注目を集めたテクニシャンは、その後、サッカーへの思いを抑えきれず、安定した会社員の地位を捨てプロになった情熱の人でもある。
北京五輪代表監督まで務めながら大都市のクラブには目を向けず、’10年には古巣の湘南を’11年ぶりにJ1に引き上げた。そして’12年にはJFL(3部相当)からJ2に上がったばかりの松本の監督に就任。「ビッククラブを率いても面白くない」。言葉の節々からはそんな反骨心さえ感じさせる指揮官に、シーズン開幕を目前に控えての心境を聞いた。
――’12年にJFLからJ2に上がったばかりの松本山雅を率いてわずか3年でJ1昇格を果たしました。さすがにJ1では戦力的には厳しい戦いが予想されると思いますが、まず今季の目標から聞かせてください。
反町:J1の「トップ15」入りを目指すよ。我々は失うものがない。チャレンジャーの気持ちで1年間、やるつもりでいるよ。
――「トップ15」とはうまい言い方をしますね(笑)。16位からの下位3チームがJ2に自動降格になるので、つまりは残留が目標ということ。でも言い方ひとつ変えるだけで、全然違った印象に聞こえてきます。
反町:種明かしをすると、ブンデスリーガのあるスポーツディレクターの言葉を引用させてもらったんだ。ドイツもJ1と同じ18チームで、下の2チームが降格して、下から3番目が残留プレーオフをやるから。この言葉はうちでも使えると思った。
――クラブのJ1初挑戦について監督は以前、「未知との遭遇」という表現をされていました。
反町:我々にとっても未知だけど、相手にしたって「えっ、松本山雅? 試合したことないよ」って感じでしょ。だからわざわざチームをJ1の色に染めるつもりはない。染まったら、逆におしまいだと思っているぐらい。パーダーボルンみたいに1部リーグの経験者がほとんどいなくても、自分たちの流儀で戦うやり方でいいと思う。J1に染まらないような独自の色が出せれば相手に対して強みになるかもしれないから。
――山雅の流儀と言えばひたむきに「走り抜く」「戦い抜く」「やり抜く」ですよね。
反町:そうだね。でも走らなきゃいけないのは、当たり前なんだ。ブラジルW杯で優勝したドイツだって、日本よりスプリントの量が多かったわけだから。まあ日本サッカー全体で見れば、あんまり目を向けていないことなのかもしれないけど。
取材・文/二宮寿朗 撮影/高須 力
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