年収600万円以上でも「バイトしないと生活できない」――破綻している家計の実態
サラリーマンの平均年収が400万円台といわれるこの時代、年収600万円以上あればもはや高給取りと呼べる。だが、その年収を稼いでおきながら「バイトしないと生活ができない」と嘆くのは、コンサルタント業を営む佐原光輝さん(仮名・48歳)だ。
「我が家の場合、一番の問題は住宅ローンです。40歳の頃、35年ローンで約5000万円のマンションを買い、毎月の支払いが管理費や駐車場代合わせて20万円ほど。高いけど、当時の給料は今よりよかったので『そのくらい払えるな』と楽観視していたんです」
だが、リーマン・ショックで会社の業績が悪化。給料がガクンと下がり、気づけば住宅ローンが生活費の半分近くを占めるように。
「当然家計は赤字です。とはいえ、妻は病弱で働けないので、なんとか僕が稼がねばと、平日の深夜や早朝、休日に清掃やイベント設置などの日雇いバイトを入れるようになりました。本業が終わってからバイトに行くので、1日3~4時間しか寝れないし、仮眠を取るときも公園のベンチや会社の床。体力的にはかなりキツイです」
10/5発売の週刊SPA!では「中年破産の危機」と題した特集を組んでいる。いまや予備軍は9割ともいわれるピンチを乗り切るすべはあるのか? <取材・文/週刊SPA!編集部>
【毎月の家計の収支内訳】
収入 本業の手取り収入 53万円
支出 68万円
住宅ローン・管理費 20万円
駐車場代 1万円
学費・家庭教師代 20万円
水道光熱費・通信費・雑費 12万円
生命保険、自動車保険、車の維持費、子供への小遣い等 10万円
小遣い(交通費含む) 5万円
副業収入 15万円
月々の収支 ±0円
バイトで稼ぐ金額はだいたい月15万円。おかげでなんとか家計の赤字分は補填できているが、最近は新たな悩みも浮上している。
「ウチは子供が3人いるのですが、あまりデキがよくないので、私立に行かせたり、家庭教師を雇っていたら、教育費がかさんでしまって。今後は今まで以上に働かないとマズいですね」
ただでさえ本業の収入だけでは成り立たず、バイトで食いつなぐという実質的にはすでに破綻した生活なのに、これ以上無理して、万が一、大黒柱の佐原さんが身体を壊してしまったら、家族は一巻の終わりでは?
「僕は身体が丈夫だから、大丈夫ですよ。それに、先のことを考えてもしょうがないですから!」
前向きな姿勢は素晴らしいが、倒れてからではもう遅い。せっかく本業で高い収入を得ているのだから、少し家計を見直せば、何か打つ手はありそうなものだが。
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