「AKB48のライバルはAKB48」卒業メンバーが語る“総監督”横山由依の成長【劇場10周年公演・密着レポ】
12月8日、AKB48劇場のオープン10周年を記念して「AKB48劇場10周年記念特別公演」が開催。前田敦子や大島優子、篠田麻里子をはじめAKB48の卒業メンバー大集合となり、高橋みなみから横山由依へ総監督の「継承式」も実施された。
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AKB48劇場がオープンし、初めての劇場公演が行われたのが、2005年12月8日。初日の公演には「観客が7人しかいなかった」という“伝説”は今もなお語り継がれ、そしてついに劇場10周年という節目の日を迎えた。
公演前には周年記念当日の恒例となった、劇場のシンボル「二本柱」にAKB48カラーのテープが巻かれる儀式が行われることに。高橋みなみ総監督と1期生である小嶋陽菜、峯岸みなみ、そして各チームのキャプテン(チームB:木崎ゆりあ、チーム4:高橋朱里)の手によりテープが貼られ、その数は10本目となった。
特別公演の陰アナは、この日23歳の誕生日を迎えた横山由依だ。『Overture』で会場のムードが高められ幕が開けると、ステージには現役メンバー119名がずらりと整列。グループ総監督の高橋みなみが「あれから10年、たくさんのメンバーがこの劇場のステージでメンバーとしてのスタートを切り、そしてファンの皆様に育てていただきながら、今日この日を迎えています」と挨拶し、記念すべきPARTYが始まった。まずは、10年の間に様々な変遷をたどって現在の体制になったAKB48の5チーム(A、K、B、4、8)のそれぞれのカラーを象徴する楽曲のパフォーマンスが行われ、その後、高橋みなみが“10年ぶり”に単独センターを務めたラストシングル『唇にBe My Baby』が披露された。
公演から30分が経った19時前になると、ステージは慌ただしい雰囲気に。10年前の2005年12月8日に、劇場公演が開演した“19時”に合わせてカウントダウンが実施されるや、横山が「じゃあ、5分27秒からいきますね…」と天然ぶりを発揮して会場を笑わせていた。この時計は、高橋の卒業が発表された1年前から劇場に設置されていたもの。時計が“0”となり、劇場とともに10周年を迎えた1期生の峯岸みなみは「ステージから見える景色は変わらない。予想以上に感動しています」と感慨深い表情に。一方の小嶋陽菜は「びっくりするくらい5分前と変化ないね」と、いつも通りあっけらかんと語る“小嶋節”でメンバーを笑わせていた。
後半は、劇場公演の記念すべき1曲目を飾った『PARTYが始まるよ』からスタート。『Dear my teacher』『毒リンゴを食べさせて』と、10年前のオープニングを飾った楽曲が続き、ファンからは熱い声援が送られた。劇場の定番であるユニットコーナーでは、向井地美音・大島優子らの『ごめんねジュエル』、松井珠理奈・篠田麻里子らの『Confession』など、現役メンバーと卒業メンバーによるユニット曲披露が実現することに。当時ファンのひとりだった向井地や大和田南那からは「まるで夢みたい!」と共演できた感動をしみじみと語っていた。
そして、AKB48の10年を象徴する盟友・高橋みなみと前田敦子による『右肩』では、前田が凛とした表情でまっすぐステージを見つめるなか、高橋が前田の顔を見つめながら瞳を潤ませる場面も。終盤には、現在の選抜メンバーに卒業メンバーも加わり、AKB48の10年を彩った『大声ダイヤモンド』や『ヘビーローテーション』などのヒットシングルが次々と披露された。
最後のMCでは、AKB48初のグループ総監督「継承式」が行われることに。“初代グループ総監督”の高橋みなみから、奇しくも当日が誕生日の横山由依へ受け継がれ、2人の署名がされた総監督継承の調印書は、マスコミ各社にFAXで送信された。ジキソーこと次期総監督と呼ばれてきた横山由依がついに総監督に就任。「AKB48のライバルはAKB48です。超えなければならない壁は、これまでのAKB48。歴史に負けない新しいAKB48をみんなと一緒に作っていきたい」と、声を震わせながらも力強く宣言し、ここに横山AKB48グループ総監督が誕生した。
最後には、現役メンバーと卒業メンバーがステージに登場し、ファンへの感謝の気持ちを込めて『あなたがいてくれたから』を披露。さらに、当日の公演には出演しなかったものの劇場に駆けつけた卒業生たちも参加して『桜の花びらたち』が歌唱され、AKB48は新たな一歩を踏み出すことになった。
終演後、卒業メンバーの大島優子が「総選挙が祭りじゃなくて、こういうものがお祭りだなって思いました」と話すと、高橋みなみは「すみません、AKB批判でございますか?」と思わずツッコミ。すかさず大島も「ごめんなさいね、外側の人間が言うもんじゃないわ」と返し、劇場前は笑いで和やかなムードに。続いて、板野友美は「わたしは8年目で卒業したんですけど、それからの2年は今の子たちが頑張ってくれているからこそ、こうしてまた10年目で集まれた。現役メンバーには感謝です」としみじみ感想を口にした。また、「AKB48の誇れるところは?」と聞かれると大島は「今も昔も唯一変わらないのは、ファンの人が作るAKB48だってこと」と話し、前田敦子も「歌ってて思ったのは、やっぱり曲がいい。みんなで盛り上がれる曲がたくさんあるのは誇り」と笑顔で語った。
篠田麻里子は横山に対し「総監督っていうものの荷の重さは、たかみなの横ですごく感じていたので、由依ちゃん大丈夫かな?っていう親目線で見ちゃいました」と心配していたものの、スピーチを聞いた大島は「立派すぎた」とベタ褒め。公演の最後に高橋が「先ほどの言葉を聞いて思ったのは、人はどんどん成長していくなということです」と言っていたように、結成当初のメンバーの多くが横山の成長をひしひしと感じているようだった。“横山AKB48”として11年目の門出を迎えた彼女たち。先輩から後輩へのバトンはうまく繋がれたようだ。
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[AKB48グループ総監督・横山由依の挨拶]
(グループ総監督の継承式を終えての決意表明)本日より、AKB48グループ総監督になりました横山由依です。一昨日、AKB48劇場オープン10周年祭がありました。そこには、AKB48の未来を信じて応援してくださったレジェンドのファンの皆様がたくさん来てくださいました。駆けつけてくれた卒業したメンバーの方もとても輝いていましたし、私の憧れのAKB48がそこにはあって、本当に夢のような時間でした。キラキラ輝く先輩たちを見て、ファンの皆様が心からの笑顔で応援してくださっているのを見て、あらためてAKB48は先輩メンバーとファンの方々が作り上げてくれたものなんだなと感じました。そこで私が思ったことがあります。AKB48のライバルは、AKB48です。私たちが今最も越えなければいけない目の前にある大きな壁は、今までのAKB48なんじゃないかなと、その時思いました。劇場がオープンして10年というこの日に、グループの総監督を継承させていただくことになりました。本当は、うまくしゃべれるタイプではないし、ここに立っているだけで、どうしようもないくらい不安なんですけれども、今ここで宣言させてください。たかみなさんたち初期のメンバーの方たちが作ってくださったAKB48の歴史に負けないくらい、もっとすごい新しいAKB48をメンバーと一緒に作っていきたいなと思います。自分たちはまだまだだなと思うことが多くて、でも、ここで皆さんと約束をしたら、それに向かって頑張れるのかなと思うので、約束をさせてください。これから10年後、皆さんがこのグループを応援してよかったなと思っていただけるようなグループで居られるように、私たちメンバーみんなで力を合わせて頑張っていきたいと思います。だから皆さんにお願いします。これからもAKB48グループの応援をしてください。皆さん、私たちのことを支えてください。そして、私たちのレジェンドファンになってください。私たちは本当にまだまだ未熟で、先輩たちの力を借りてしか歩むことはできませんが、ファンの皆さんと一緒なら、この先10年また夢を見続けていられるのかなと思うので、これからも48グループの応援をよろしくお願いします。
【AKB48劇場10周年記念特別公演 セットリスト】
0.Overture
1.Pioneer(横山チームA)
2.最終ベルが鳴る(峯岸チームK)
3.初日(木崎チームB)
4.夢を死なせるわけにいかない(高橋朱里チーム4)
5.47の素敵な街へ(チーム8)
6.唇にBe my baby(唇選抜)
~10周年時計 カウントダウン~
7.PARTYが始まるよ(唇選抜)
8.Dear my teacher(唇選抜)
9.毒リンゴを食べさせて(唇選抜)
10.ごめんねジュエル(大島優、宮澤、向井地、武藤)
11.口移しのチョコレート(柏木、入山、岡田奈)
12.ツンデレ(板野、大和田、小嶋真)
13.Bird(高橋み、横山、高橋朱)
14.Confession(篠田、秋元、松井珠、山本)
15.愛しきナターシャ(指原、峯岸、木崎)
16.パジャマドライブ(渡辺麻、宮脇、川栄)
17.ハート型ウイルス(小嶋陽、加藤、河西)
18.右肩(前田敦、高橋み)
19.夕陽を見ているか?(小嶋陽、高橋み、渡辺麻、柏木、前田敦、大島優、篠田、板野、秋元、河西、川栄)
20.フライングゲット(唇選抜+卒業メンバー)
21.大声ダイヤモンド(唇選抜+卒業メンバー)
22.言い訳Maybe(唇選抜+卒業メンバー)
23.ヘビーローテーション(唇選抜+卒業メンバー)
24.あなたがいてくれたから(全員)
25.桜の花びらたち(全員)
©AKS <取材・文・撮影/北村篤裕>
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