愛が強すぎて奇行に走る「愛犬&愛猫家」たち
空前のペットブームだ。特に猫による経済波及効果は2兆3000万円、ネコノミクスと呼ぶとか。2015年のペットの飼育数は、猫987万4000匹、犬991万7000匹に達した。
しかし、モンスターペアレンツがいれば、当然、モンスター飼い主も現れる。そして“我が子”の可愛さを媒介に、犬&猫親たちが互いを格付けしあっているようで……。
東京都内の高級住宅街で動物病院を運営する獣医のY氏はこうしたペットの飼い主同士の“マウンティング”火花飛び散る現場に遭遇したことも珍しく無いという。
「たとえば、ドッグランにも常連と新人がいるわけですからね。常連と衝突してしまい、ハブられてしまったなんて話は珍しくありません。気まずいものだから、引っ越しまでしてしまった人もいますね。ほかにもヴィトンの首輪をするようなセレブもごろごろいますよ。そういう人はあっけらかんと自分が楽しんでいるので、意外と嫌味がなくサッパリしてますね」
その愛情ゆえにドツボにはまったりする例も少なくない。
「手作り食にこだわる飼い主さんがいたんですが、オーガニック野菜ばかり与えていて動物性蛋白質を与えていなかった! そのときは栄養失調寸前でしたよ。市販のペットフードはなんだかんだで栄養的にも安心です」
ペット愛好家には変わった人が多いということなのだろうか?
「いえいえ、決してそういう人たちが異常な人たちというわけではありません。本当に常識的な普通の人だし、知的な大学教授だったりします。それがペットのことになると豹変してしまう。時にはモンスターペッターになってしまう。それだけ思い入れが人間に影響するということなのでしょうね」
そうした愛好家の中にも、思い入れの温度差があるのだとか。
「たとえば犬好きでも、犬全般を好きな人と、自分の犬しか好きでない人がいますね。後者はどうしても他人の犬やしつけについて無頓着になってしまう。中には『この子は自分を人間だと思ってるから、他の犬は嫌いなんですよ』と真顔で言う人もいますからね」
そんな価値観の相違が、愛好家同士のマウンティングに一役買っているのかもしれない。 <取材・文/週刊SPA!編集部>
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