大谷翔平の「てっぺん」を目指す思考――初黒星も「宿題を与えれば成長する」
道ひらく、海わたる 大谷翔平の素顔』では、野球人としての大谷の資質を描く一方で、彼の思考や人間としての本質に迫った。本書でも紹介した言葉だが、渡米前の大谷はこんな思いを語っていた。
「野球をやっているからには『てっぺん』を目指したいんです。すごいレベルの高いところで野球をやってみたいなと思っていたので、まずはプロ野球選手になりたいと思って、そこに近づいていったら、さらにその上でやってみたいと思う。僕はいろんなことにチャレンジしていきたいんです。それが良いことなのか、悪いことなのか。その時々で出た結果によって『良かった』『悪かった』ということになるのかもしれません。また、たとえ良い取り組みをしていても、結果が悪くなっちゃうときもあると思います。でも、その取り組みをさらに継続していって、(結果が)良い方向に振れていくこともあると思います。だから、何事もチャレンジはしてみたいなと思うんですよね。常に変化してきたいと思うし、そうあるべきだと思っています」
野球選手として「うまくなりたい」。その単純明快で、純粋な気持ちに突き動かされて、大谷は「変化」を求め続ける。試行錯誤を続けたアメリカでのスプリングキャンプやオープン戦は、彼にとっては変化するための助走期間。新たなことに挑み、新たな自分を追い求めようとする姿がそこにはあったはずだ。かつて、大谷は「うまくなる瞬間」についてこんな言葉も残している。
「僕は、ある日、突然来るんですけど、それは継続していないと来ないものだと思っています。そうじゃなければ、その感覚まで至らない。継続していって、ある日突然『これだ!』というものが出てくるんです」
圧倒的な向上心を持ち、日々できることを積み重ねる。その先に、変われる自分がいると大谷は信じている。
『メジャーのトップに行きたい』
『長く野球を続けたい』
『何か新しいことを、他人がしたことのないことをやりたい』
岩手の花巻東高校時代から一貫して持ち続けるそれらの思いを絶やすことなく、彼はメジャーの舞台で戦い続けている。
全米を席巻する投打・二刀流――。投げては12奪三振で勝利投手になり、打っては3試合連続本塁打と、開幕からロケットスタートを切った大谷翔平は今、何を思い、何を求めて突き動いているのか。
先月16日発売の拙著『1
2
『道ひらく、海わたる 大谷翔平の素顔』 僕のこれまでが詰まった一冊です。――大谷翔平 |
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