“ホテルでテレワーク”はアリなのか。家族と仕事から開放されて…
コロナ禍により会社に出社せず、自宅で仕事をする「テレワーク」が定着した。とはいえ、自宅で仕事をするということは、言うほど簡単ではない。自室や書斎など、仕事に使える部屋があればいいものの、小さな子どもがいるリビングでビデオ会議は難しいだろうし、家族と同じスペースで仕事など、気が散ってできないという声も多い。
実際にホテルで仕事をしたという埼玉県の会社員・櫻井修一さん(仮名・30代)の話。
「デイユースなら3000円程度と安く、疲れたらそのまま泊まってしまうこともありました。自宅に自室がなく、リビングで仕事をするにも妻や子どもがいるので、ホテルは集中できる環境ではありましたが……」(櫻井さん、以下同)
東京都内のビジネスホテルに2泊したという櫻井さんだが、集中できる環境で仕事がはかどったのかといえば、そうではなかった。
妻や子どもがいないという開放感から、普段は自宅で閲覧ができないようなWebサイトを延々と見続けたり、ベッドの上で全裸になって、ただボーッとするという、こちらも自宅では絶対にできないことをやってみたり……。
「朝10時から夕方まで、結局集中できたのはサイト閲覧くらいで(笑)。仕事はほとんど進まず、自宅に帰って、妻と子どもが寝静まった後に徹夜でやりました」
普段から「プライベートがない」人にとってみれば、ホテル生活は「自由」を得たような感覚に陥るため、よほど強い意思を持っていないと、仕事に集中することができないと話す櫻井さん。
千葉県在住の会社役員・野本英彦さん(仮名・50代)も、やはり開放感に負け、無駄なホテル暮らしをした一人。
「妻がいないという開放感、まるで旅行に来たような気分になって出張マッサージなどを頼んだり、夜もダラダラと酒を飲んで過ごし、正直仕事なんかさっぱりできませんでした。一日2.5万円くらいもらっている給与計算ですが、結局3泊して使ったのは7万円。単なる無駄遣いに終わり、嫁には口が裂けても言えません」(野本さん)
そんななか、コワーキングスペースやビジネスホテルを利用するサラリーマンも増えつつあるが……それでも仕事がはかどらず、頭を抱えている人も少なくない。
「ホテル」という環境の開放感から怠けてしまい…
1
2
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ