ラブホテルのフロント業務からガテン系に転職した27歳女性「経験は無駄にならない」
4回もの緊急事態宣言を経てなお、新たに変異株も出現し、今もまだ収束の兆しが見えない新型コロナウィルス。コロナは私たち全ての人の生活を大きく変えました。その中には、転職や失業を余儀なくされた人もいます。コロナによる客数の激減で、泣く泣く仕事を変えたという瀧本美穂さん(仮名・27歳)に話を聞きました。
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小さい頃から絵を描くのが好きだった瀧本さんは、地元の専門学校を卒業後に上京。東京のデザイン会社で働いた後、5年前に退職し、念願のフリーランスのイラストレーターになりました。しかし、現実は厳しく、イラストだけで生活するのは難しかったそうです。そんな彼女がイラストの仕事と並行して始めたのは、ラブホテルのフロント業務でした。
「私はイラストレーターをしながら、漫画を描いてコミケなどで売っているので、ラブホでの仕事は人間観察やネタ作りにも活かせると思ったんです。実際、近所のファミレスで働くおばさんとバイトの大学生が最短コースで来店したり、年配の男性が2Lサイズのコスプレを借りて部屋に籠ったり、男性客3人で入室したり、自分の知らない世界を見られました。
毎日が変化に富んでいて刺激的だったんです。フロントで貸し出している大人のおもちゃの清掃と消毒の作業は、正直、好きじゃなかったですけどね(笑)」
ホテルでの仕事は体力的にも楽で、さらに彼女の知的好奇心を大いに満たしてくれたようです。しかし、コロナの流行により、数年間働いたその職場を「離れざるを得なくなった」と瀧本さんは語ります。
「うちのホテルは近隣で最安値、かつ駅から近く、最低限度の設備を、というのが売りだったんです。普通のカップルが利用したくなるような綺麗なホテルではありません。普通の女子が喜ぶお洒落なアメニティではなく、風俗利用の男性が喜ぶ大人のおもちゃを充実させていましたから。
でも、激安風俗を利用するお客さんにターゲットを絞って、短時間で回転数を上げるという戦略は上手くいっていたと思います。他店舗から清掃のヘルプを呼ぶくらい、繁盛していました」
ラブホテルの経営にもポジショニング戦略があるのか、と筆者が感心して聞いていると、瀧本さんは鼻息を荒くして言葉を続けました。
「でも、コロナで状況が一変したんです。風俗の利用客が減るのと比例して、私のシフトもどんどん減らされた。そして、ついに『シフトに入りたいなら室内清掃にも入るよう』に言われたんです。だけど、平常時ならまだしも、コロナの時期に絶対にそれは嫌でした。そもそも、おもちゃの清掃さえ嫌いな私が、できるわけないじゃないですか」
欲望が渦巻くラブホテルのフロント業務
コロナで大打撃!成功していた戦略がアダに…
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