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2023年の米国開催ポーカー世界大会で日本人が大健闘

世界一のポーカー大会WSOP

 2023年、米国で開催された世界一のポーカートーナメントであるWorld Series of Poker、通称WSOPにて、日本人のポーカープレーヤーが活躍したことはご存知だろうか。  
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世界一のポーカートーナメント「WSOP」

 なんでも、この世界規模の舞台で、健闘を繰り広げた日本人プレーヤーは、一人だけでなく、何名もいたというわけだから、ちょっとした一過性のスクープ情報として片付けるわけにはいかない。  ここから、何か社会現象の幕開けのようなものが、感じられるのは筆者だけだろうか。とはいえ、まだ日本では、このようなイベントがある事すら知らない人も多いだろう。当記事では、このふつふつと沸き起こっている、ある種マイナーなムーブメントをあえて取り上げ、今認知されていない方々が、今後さらに高まるであろうポーカー人気に対して、興味を持つきっかけになれば幸いである。  まず初めに、WSOPについて、概要を説明する。  当大会は1970年に創立され、今となっては50年以上の歴史を持つ、ポーカー界では最も歴史のあるトーナメントであり、世界中から卓越したポーカープレーヤーが参加することで知られている。
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50年以上の歴史を持つWSOPには、世界中から1万人以上のプレーヤーが参加する

 なお、当イベントは、ポーカーの種目やジャンルの異なる複数のトーナメントで構成されており、規模は数百人が参加する小規模のものから、メインイベントなど、参加者が1万人を超える大型トーナメントがある。規模に応じて、参加者数はもちろん、バイインと言われる参加費の金額も幅広い。  具体的には、バイインは数百ドルと手軽に参加できるものもあれば、一万ドルもの費用を要する高額なトーナメントもある。メインイベントは、その参加費用が一万ドルのトーナメントの一つである。  一万ドルといえば、近頃の円安レートだと日本円にして約150万円にもなるわけだから、相当な覚悟と自信がなければ参加しようとは思わないだろう。しかし、2023年のメインイベントには、過去最高の10,000人を超えるプレーヤーが、世界各国から参加したようだ。各プレイヤーはスタート時、同じ量のチップを持ち参加し、持っているチップを失った者から脱落していくサバイバルゲームの様相を呈するのがポーカートーナメントの特徴だ。そして、集められた参加費が賞金のプール金となり、トーナメントの上位入賞者が最終順位に応じて山分けするのだ。  先述した参加費1万ドルのメイントーナメントの場合、賞金総額は約130億円、優勝賞金は約17億円というとてつもない額となった。

世界一のポーカー大会で日本人が活躍

 ここからは、2023年WSOPにおける日本人の活躍について、特に目立った実績を残した3名の選手の説明と共に紹介していく。  まずは、岡本詩菜選手についてだ。

女性限定トーナメントで2位に輝いた岡本詩菜選手

 岡本選手は、京都大学工学部卒業という日本で最高レベルの学歴を持つエリートである。都内の企業で会社員として働いている傍ら、ポーカーにも情熱を注ぎ、2023年のWSOPでは「$1,000 LADIES No-Limit Hold’em Championship」という女性限定のトーナメントに参加した。  戦績はというと、見事2位の座につき、自己最高の賞金となる約1,700万円を手にしたという。  続いて、鈴木りゅうたろう選手。
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「Nine Game Mix」で優勝した鈴木りゅうたろう選手

 鈴木選手は、「Nine Game Mix」というトーナメントで、なんと優勝を果たした。注目すべき点は、年齢が22歳という若さだ。過去の大会にも、中小規模トーナメントにて、優勝を果たした日本人選手は何名もいたが、鈴木選手は日本人優勝者の中で最年少となったはずだ。  なお、鈴木選手が手にした賞金は約3100万円とされている。  最後は、世界のヨコサワこと横澤真人選手。
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世界のヨコサワこと横澤真人選手

 動画共有プラットフォームのYouTubeにて、世界のヨコサワとして、ポーカー関連のコンテンツを投稿しているため、昨今のポーカープレーヤーの中では、横澤選手の知名度は一際高く、ポーカーを始めるきっかけが当選手の動画コンテンツとなった人は少なくないだろう。いわば、ポーカー界のインフルエンサーとも呼べる存在だ。  横澤選手は、2023年WSOPのメインイベントに参加し、最終的に日本人選手歴代2位となる43位に着いた。当該トーナメントの参加者数は、一万人以上だったため、上位約0.4%にまで上り詰めたことになる。  そして、獲得した賞金は約2600万円だ。  この他にも、数多くの日本人選手が参加しており、その数は過去最多だったそうだ。年々、日本人参加者は増えているらしく、今回の好成績のニュースを耳にして、今後さらに参加者増えていくと考えられる。

今後のポーカー人気はどうなる

 当記事にて、日本人のポーカー人気を知った人には、想像がつかないかもしれないが、WSOPにて日本人選手が好成績を残したのは、実は今年が初めてではないのだ。なんと、部門優勝者が出たのは、2020年から続いており、今年で4年連続ということになる。  さらに、それ以前にも数名部門優勝を果たした人はおり、トータルで7名と言われている。  米国までの渡航費だけでなく、各トーナメントに参加するだけで高額な参加料がかかるにもかかわらず、毎年WSOPに参加している日本人が増えていることから、日本人のポーカープレーヤーの総数が増えていると推測できる。 Poker01 さらに、プレーヤーの数だけでなく、スキル面でも向上しているのだろう。最近では、ポーカーに関するチュートリアル系の動画コンテンツが増えていたり、現金を賭けないアミューズメントポーカーを楽しめる施設が都内を中心に全国で増えている。このようなポーカーの知識を見つけられる環境が徐々に増えていくことで、ポーカー人気が高まる土壌が少しずつ整ってきたと言えるだろう。  ポーカーは運だけでなく、スキルがものをいう要素が多分にあるため、技術向上のための研鑽を厭わず知的好奇心が高い人からも好まれている点は、他のレジャー系エンターテインメントと似て非なるものである。若年層の麻雀やパチスロ離れが指摘されていることと、ポーカープレーヤーが増えていることを考慮すると、昨今の余暇や趣味の移り変わりが垣間見えるのではないだろうか。 <提供/Raketech Group Holding PLC>
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