毛沢東に学ぶマーケティング…中国のビジネス本に微苦笑
ビジネス本ブームの日本。己を鼓舞してくれたり疲れたココロを名言で癒してくれたり、サラリーマンのいかなる悩みも受け止める充実っぷりである。が、裏返せば、現状への不満不安の表れでは? 世界各国、ビジネス本の売れ筋を見れば、その国の経済や社会、文化が見えてくる!
【中国でベストセラーのビジネス本】
●『それでビジネスマナーを知ってるつもり?』
例えば、社長への来客にお茶を出す場合、「偉い社長から先にお茶を出すべきかと迷うだろうが、正解はお客様から」といった基本のきから説くマナー本。ほか、名刺を丸めないとか、人を指ささないなど丁寧に指南。こうしたマナー本のほか『その言い方、アウト』といった若者向けの話し方教本も売れ筋だとか
●『誰のために働いているのか』
「変化の激しい今、我々は自分の価値を高めるため、情熱を再燃させるため、何をする必要があるのか?」と、生活のために働き続け、働く意義や目標を見失った中高年をターゲットにしたモチベーションアップの本。
すでに100万部を突破しているとのことで、好景気の中国とはいえ、白秋を迎えたおじさんの苦労は日中同じなのかも
●『捨てることで手に入れる』
「与えることは得ることの前提」「失うことは不幸ではなく、得ることは幸福ではない」など、自分のものを手放すことで、何かが得られる――という舎得の考え方から成功ノウハウを説く。
表紙惹句を見ると、「全国の職場で職員教育の本として愛読されて1000万部突破」らしい。翻れば、それだけ中国社会は欲まみれということ?
●『毛沢東に学ぶマーケティング』
「マーケティングと革命には共通点がある」という衝撃的な前書きで始まる。共通点とは、前者が消費者のハートを、後者は「民心」を獲得することにある点。そして共産党のスローガン「為人民服務=人民にサービス」も、マーケティングにも通じると。
だからって毛沢東の革命理論にマーケティングを学ぶって……どうなの!?
※本のタイトルは邦訳が出版されているものは邦訳のタイトルを。そうでないものは、編集部がタイトルを訳しました
― 各国ビジネス本の「何で?」なベストセラー【2】 ―
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