更新日:2024年07月10日 01:08
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都知事選で話題の石丸伸二、居眠り議員について“つぶやいた”理由「炎上はあくまで手段」

7月7日の東京都知事選で、165万票を獲得して2位に躍進した石丸伸二氏。選挙戦略やマスコミ対応などネット上では賛否がわかれ、一躍全国区となったが、その手腕は安芸高田市長時代から変わらない。その石丸流「思考法」を本人が明かす(以下、石丸氏の寄稿)。

炎上File.1:居眠り議員

ワケあって炎上中

石丸伸二・安芸高田市長

<本日午前、議会の一般質問が行われている中、いびきをかいて、ゆうに30分は居眠りをする議員が1名>    ’20年9月25日のこのツイートが、その後、人口2万7000人の小さな町を変えるきっかけになりました。  はじめまして。広島県安芸高田市の市長を務めている石丸伸二です。“ワケあって”今回からSPA!で連載させてもらうことになりました。テーマは「炎上」です。  ご存じの人もいるかもしれませんが、私は「ダメなものはダメ」という姿勢で、市長就任以来、幾度となく安芸高田市議、のみならず地元の中国新聞とも衝突してきました。その様子が、時に「炎上」などと表現されています。  しかし、私はやみくもに炎上させているわけではありません。意図を持ってやっています。炎上は目的ではなく、あくまで手段です。政治再建を進めると同時に、安芸高田市という県外の人のほとんどが知らなかった市の名前を知らしめ、都市開発・産業創出により町を潤す。そのために有効だと考え、選んだ手段が炎上だっただけです。

京大卒の銀行マンから市長になったワケ

 安芸高田市で起こった数々の炎上ファイルを見ていく前に、まずは私の経歴を簡単に紹介させてもらいます。  私は6つの町が合併して安芸高田市になる以前の、高田郡吉田町で1982年に生を受けました。地元の中学、広島市内の高校を経て京都大学を卒業した後、三菱東京UFJ(現三菱UFJ銀行)に入行。為替アナリストとして米国駐在も経験しました。  当時は、それほど自分のキャリアとして政治家に関心があったわけではありません。しかし、中南米の国々を分析するなかで、「政治が三流なら経済も三流になる」と感じていました。かつて、日本は「経済一流、政治三流」と言われていましたが、「日本も今後、中南米と変わらなくなるのではないか?」と感じたことを記憶しています。それからしばらくして、政治三流を象徴するニュースが飛び込んできました。’20年6月に起きた河井事件です。  その前年の参院選で河井克行衆院議員(当時)が、地元・広島で地方議員に現金を渡していたとして公職選挙法違反に問われたのです。このときにお金を受け取っていた政治家の一人が私の故郷・安芸高田市の市長でした。  市長の辞職が報じられた直後「なお、現在、(安芸高田市長選挙に)立候補を表明しているのは副市長だけ」というニュースが流れました。  私は「このままだと無投票で市長が決まってしまう。誰か出ろよ」と思いました。ただ、出る人がいない地元の状況もよくわかったので、「それなら自分が出ればいいのか」と考え、翌日には上司に「退職します」と報告。故郷に飛んで帰ったのです。  当時37歳の元銀行マンと前副市長との一騎打ち。実はこのとき、前市長のみならず、安芸高田市議会の正副議長も河井氏からお金を受け取っていたとして辞職していました。だから、私は第一に「政治再建」を掲げて、選挙戦を戦ったのです。その結果、60%以上の得票率で初当選を果たしました。
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初の定例会でのけぞり大いびきをかく市議
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1982年8月、安芸高田市生まれ。三菱UFJ銀行を経て’20年に安芸高田市長に。市議会との衝突が話題を呼び、Xフォロワー数は40万人超、市公式YouTube登録者数は全国トップの25万人。趣味はトライアスロン

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