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『with MUSIC』低迷の理由は“出演者”ではない?世界的に音楽番組が「衰退の一途」を辿っているワケ

『with MUSIC』不調の理由は?

with MUSIC

日本テレビ公式サイトより

 日本テレビ系の音楽番組『with MUSIC』(土曜19:56~20:54放送)が不調です。コア視聴率(13~49歳男女の視聴率)が振るわないどころか、出演を拒否するアーティストもいるのだそう。(FRIDAYデジタル 2024年6月24日)  そこでやり玉に挙がっているのが、司会を務める有働由美子と松下洸平です。特に有働アナに対しては厳しい声が。“音楽に興味がないのがバレバレ”とか“アーティストと話が噛み合っていない”と、散々な言われようです。  他にも音楽とトークのどちらを見せたいのかわからない中途半端な番組構成に疑問を呈する意見も多く、放送開始から2ヶ月が経過した今も方向性が見出だせない状況です。

アメリカやイギリスでさえ、音楽番組は衰退している

 では、指摘されているように、司会をもっと音楽に詳しくしゃべりの上手い人にしたり、構成を変えたりすれば、みんな『with MUSIC』を見るようになるのでしょうか? 筆者にはそう思えません。  というのも、日本と同じ様に大きな音楽市場を有するアメリカやイギリスでさえ、音楽番組は衰退しているからです。これは産業のサイクルとして、抗えない流れなのではないでしょうか?  アメリカではその兆しが10年前にあらわれていました。平均視聴者数3000万だった人気オーディション番組『アメリカン・アイドル』が、2014年5月6日の放送では700万に激減。そして全盛時には12.6を誇った視聴率も、1.7と衝撃の数字を叩き出してしまったのです。  そしてここでも音楽番組がコア視聴率を稼げないことが明らかになります。平均視聴年齢が32歳だったものが、2014年時には52歳に。これは全く新規の若い客を獲得できていないことを意味します。(The New York Times 2014年5月11日)  2002年の放送開始からいまも続く長寿番組ではありますが、年々影響力は低下。近年ではケリー・クラークソンやキャリー・アンダーウッドのようなスターを輩出することもなくなりました。  若年層のテレビ離れと、音楽を提供するプラットフォームが多様化したことによる、複合的な要因だと考えられています。
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もはや音楽はテレビから知る時代ではない
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音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。Twitter: @TakayukiIshigu4

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