復興特需にわく[被災地不動産]の現実
仙台を中心とした復興特需の影響で、被災地の不動産投資に注目が集まっている。建設業者の流入で人口は増加し、空室率は大幅に改善。そのため、不動産投資利回りも上昇しているというのだ。果たして、被災地では何が起きているのか。その投資事情をリポートする!【後編】
◆地震でダメージを受けたかどうかもポイントに!
現在、全国の賃貸マンションの空室率が20%台といわれるなか、仙台全体での空室率は6%ほどだという。仙台はまさに「不動産バブル」と呼ぶにふさわしい状況が続いている。しかしバブルはいつまでも続かない。(※詳細は前編にて⇒「仙台で不動産バブルが起きている!?」)
不動産バブル終焉に伴う売り時リスクとは別に、「震災による建物へのダメージも気になる」と話すのは、収益不動産の仲介サイト『楽待』を運営する坂口直大氏だ。
「売り主には瑕疵担保責任がありますが、免責の上で販売する業者も多く、もし買った物件に何かあってもその場合は自己責任という物件もあります」
実際、震災により傾いてしまった物件も少なくない。
「建物自体を直そうとすれば、修繕費は1000万円単位。部屋の床を水平に直すだけなら1室10万円程度なので、それで済ますオーナーも多い」(高橋氏)
では、実際、不動産投資家は、この状況をどう見ているのか。
「知人の不動産投資家は今、仙台駅近くのマンションに買い付けを入れています。『空室率が戻っても、現在の家賃設定が抑えめの物件なら、賃料引き上げで利回りの向上が見込める』と」(坂口氏)
一方、前出のみさパパ氏は慎重に、投資時期を窺っている。
「今は仙台市内ではなく、車で1時間圏内の地域で探し、山形市内のアパートを狙っています。仙台市内の物件は、社宅代わりに一棟買いしていた建設業者が手放すまで待つ。新築するなら消費税増税直前までに。いずれにせよそのときは供給過多なワンルームより、1LDKや2DKなど2人以上で住める部屋の多い物件を狙います」
消費税増税前は、駆け込み需要が発生。収益物件の売買が活発になることが予想される。
「消費税が10%になる’15年の前に、モラトリアム法の終了もあります。資金繰りが厳しくなった中小企業の保有する物件が一斉に市場に出され、私の予想だと不動産価格は3割下落する。不動産投資を始めるなら、考慮したいイベントですね」(坂口氏)
モラトリアム法の期限切れは’13年3月末。そこで価格の落ちた物件を拾っていくのも一考だ。
いずれにせよ、今が旬の被災地不動産バブルから目が離せない。
<まだある!被災地の不動産投資物件>
⇒https://nikkan-spa.jp/304860/mane_121009_04
【坂口直大氏】
ファーストロジック代表取締役。収益物件掲載数No.1の不動産投資サイト「楽待」(http://www.rakumachi.jp/)を運営
― 復興特需にわく[被災地不動産投資]儲けの現実度【2】 ―
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