『LOST』J.J.エイブラムスが語る「映画よりもテレビが面白い理由」
海外ドラマブームの火付け役となった『24-TWENTY FOUR-』『LOST』『プリズンブレイク』。その3大海外ドラマの中でも、謎が謎を呼ぶ展開で視聴者を釘付けにしたのが『LOST』だった。生みの親であるプロデューサー、J.J.エイブラムスは、今なおヒット作を連発している海外ドラマ業界の重鎮だ。“3大”を超えるべく、J.J.が新作に込めた思いとは。本人に直撃!
●「ALCATRAZ / アルカトラズ」
11 月7日ブルーレイ&DVD 発売/DVD レンタル開始/オンデマンド配信開始
ブルーレイ コンプリート・ボックス(2枚組)/税込5,980 円
DVD コンプリート・ボックス (6枚組)/税込4,980 円
★ワーナー・オンデマンドにて1話無料視聴キャンペーン実施中!(http://wod.jp/feature/WB_campaign_alcatraz)
●「FRINGE/フリンジ<フォース・シーズン>」
ブルーレイ&DVDリリース中、オンデマンド配信中
ブルーレイ コンプリート・ボックス(4枚組) /税込17,000円
DVD コンプリート・ボックス(11枚組)/税込15,000円
●「パーソン・オブ・インタレスト<ファースト・シーズン>」
10 月10 日 DVD発売開始/DVDレンタル開始/オンデマンド配信開始
DVD Vol.1 1枚組(3話収録)/税込980 円
10月24日 ブルーレイ&DVD発売
ブルーレイ コンプリート・ボックス(4枚組)/税込17,000円
DVD コンプリート・ボックス(11枚組)/税込15,000円
★ワーナー・オンデマンドにて1話無料視聴キャンペーン実施中!(http://wod.jp/feature/WB_campaign_poi)
全作品 発売・販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ
(C)2012 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
――『ALCATRAZ / アルカトラズ』はキャッチーな設定でしたね。
アイデアを最初に教えてもらったとき、すごく気に入ったんだ。つまり、アルカトラズは凶悪犯罪者達が入所するカリフォルニアの刑務所なんだけど、語られてきた史実は実は虚構で、移送されたはずの数100人の囚人たちはどこかへ消えてしまっている。そしてその事実が隠ぺいされたという設定。その囚人たちが現代に甦るというアイデアがとても魅力的だった。みんなでキャンプファイヤーを囲んでワイワイ語り合えるような、そんな面白い話だと思い、この企画を進めたんだ。
――残念ながらファースト・シーズンで打ち切りとなってしまいましたが、TV業界はやはりシビアなんでしょうか?
常に「チャレンジング」だよ。持ち出される企画でパイロットにこぎ着けられるのはごくわずかだし、パイロットの中でも放映されるのはごくわずか。放映されても1シーズン以上続くのもごくわずかだ。だから常に闘いなんだ。そうはいっても、今はテレビの黄金期だと思っているよ。長編映画はマーケティングに左右されることが多いし、スタジオは常にマーケティングできるか否かということを視野に映画作りを決めている。だから映画ではリスクに挑むことが少なくなってきているが、その分テレビではリスクを厭わない企画が増えてきている。その結果、アメリカのテレビや海外のテレビでも、ワクワクするような面白いシリーズがどんどん出てきている。映画ファンにとっては残念なことだが、今は映画よりもテレビでのほうが面白い。映画でもオリジナリティを打ち出したいところだが、最近のトップ10リストを見ても、10年前やそれ以前と比べると続編、リメイク作品ばかりだろう? テレビがメディアとして、映画よりも劣等であるという偏見もなくなってきているので、脚本家や監督や俳優達がテレビに流れ込んできているし、結果、独創性に富んだ、エッジの利いた、キャラクターもストーリーも面白いものがどんどん出てきているんだよ。
――ご自身が製作されたTVシリーズの中で、一番気に入っている作品は何ですか?
どの企画も参加できてラッキーだと思っているよ。とりわけ好きなのは『フェリシティの青春』かな。なにせテレビシリーズを手掛けるのが初めてだったから、多くを学ばせてもらったし、とてもハートウォーミングなシリーズだ。そうはいっても、『エイリアス』も『LOST』も『FRINGE/フリンジ』も『パーソン・オブ・インタレスト』も好きだし、それぞれも魅力があると思うけどね。どれか一つに絞るのは難しいな。
――『FRINGE/フリンジ』は、いよいよファイナル(フィフス・シーズン)を迎えますね。
『FRINGE/フリンジ』は大好きなシリーズのひとつ。今まで見てきた中でも、最も奇妙なシリーズの一つに入るね。人の心情をしっかりと描きつつも、あれほどユニークな設定をベースにしたシリーズに関わることができて本当に嬉しいと思っているよ。ファイナル・シーズンは全13エピソードで放映されるので、フィナーレに向けてストーリー展開のペースをしっかりと作り込むことができた。ファイナル・シーズンは感情に訴えかけつつも、ハラハラする展開。もちろん、ビックリするようなエンディングを用意してあるよ。
――『パーソン・オブ・インタレスト』は 爆発的にヒットしてますね。
『パーソン・オブ・インタレスト』に魅かれる第一の理由は、現代では皆、監視カメラに囲まれているからだと思う。いつ、どこにいても、監視カメラだらけだ。街を歩いていてもカメラを気にとめることもなくなってきた。「でも、その監視カメラが記録した情報が実際に利用されていたとしたら?」というアイデアが興味深いと思ったんだ。監視カメラの情報を集めたマシンが存在していて、そのマシンが、これから起こる犯罪、又は被害者が巻き込まれうる犯罪の予知につながるとしたらどうだろう?そして、2人の意外なヒーローがその情報を使って皆を守るとしたら? このアイデアを持ち込んできたのはジョナサン・ノーラン。ジョナサンはバットマン・シリーズの脚本を共同執筆しているから、シリーズにバットマン的なカラーをもたらせてくれる。いわばマントなしのスーパーヒーローが、世界を感知する監視カメラという、現代の我々が非常に共感できるツールを使うんだ。
――どの作品も、テーマソングが印象的ですね。ご自身で作曲されているそうですが。
自分でやれば安上がりでしょ(笑)。というのは冗談で、音楽と作曲がもともと好きなんだ。作曲することが夢だった。子供の頃からよくオーケストラとの協演を想像しながら、縦型のピアノを弾いたものだよ。下手だったから親には「止めなさい」とよく言われたけどね。今はキーボードやシンセサイザーやサンプラーがあるから、思い描いたものに比較的忠実なものが作れるようになった。新作の『REVOLUTION(原題)』でも、弦楽器奏者が演奏したものをレコーディングしていて、すごく音がいい。とにかく楽しいんだ。今はテーマソングのOKを出せるような立場にあるけど、そうでなければ、僕が作曲することにOKしてくれる人はいないかもね。『ALCATRAZ / アルカトラズ』も含め、ほとんどのシリーズのテーマソングを手掛けているよ。
アメリカで放送が始まったばかりの『REVOLUTION(原題)』も好調、シビアな業界でチャレンジし続けるJ.J.エイブラムス。海外ドラマ業界を背負って立つ名プロデューサー、J.J.作品は、秋の夜長にもってこい。一気見にチャレンジだ!
『ALCATRAZ / アルカトラズ コンプリート・ボックス』 異色の脱獄アクション・ミステリー |
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