「スキルは新人並み」と嘆く新聞記者(40歳)の苦悩
「入社20年目にして新人扱い」「後輩が入ってこないせいでコピー、お茶くみから上司のiPhoneの設定までやらされる」「上がつかえていて係長にさえなれない。いつまで下っ端なのか将来が見えない……」etc. アラフォーサラリーマンなら誰しも少しは思い当たる節があるのではないだろうか。後輩不足に悩まされるアラフォー世代の実態を紹介する
◆40歳すぎを捕まえて、役員が「自分で記事書いてるのか?」
●塩谷佑輔さん(仮名)40歳
新聞社
月間労働時間:265時間
年収:750万円
部署の平均年齢:50歳
お客さんがシニアだらけになってしまった新聞で記者として働く塩谷さんの周りは、これまたシニアだらけ。「50歳、60歳は当たり前。40代なんてまだ坊や扱い」だ。18年に及ぶ勤務歴があるが、後輩と仕事したのは数年程度。その後輩も別の部署に移ってしまった。
「下を育てた経験もないため、管理能力なんて身につくはずがない。お客への呼び物となる大きな企画は先輩社員の “絶対領域”だから、手を出すこともできず、実際のスキルも“新人並み”」と自嘲する。
「新年会や花見の幹事をやらされるのは、序の口。電話を取る、プリンタの紙詰まりを処理する、コンビニで先輩のおやつやタバコを買ってくる、出前の手配をするなど下っ端の仕事は永遠に自分です」
年寄り連は、塩谷さんを永遠に「若者」だとでも思っているのか
「“IT通”だと思って、『LINEって何?』とか聞いてくるから困る。全然、知らないのに」。
いつも「若者代表の意見」を求められるのも、ウザい。「40のいいオッサンが、『お前もやっぱ“内向き”なの?』なんて聞かれてもネェ」と嘆く。塩谷さんが最近一番驚いたのが、役員の一言だ。「『キミ、そろそろ自分で原稿書いてるの?』って。役員の頭の中じゃ、僕はまだ入社2年目くらいなんです」。上が詰まっているだけに、当然肩書はヒラのまま。だが、給料が悪くないので今までズルズルい続けてしまった。「完全に実力以上のもらいすぎなので、5年後は確実にリストラ候補ですね」。
イラスト/サダ
― サラリーマンを蝕む「後輩が足らない!」症候群【3】 ―
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