日本F1ファン希望の星・小林可夢偉がいないシーズンが間もなく幕を開ける。混戦模様の今年F1を、全19戦現地取材のF1マルチジャーナリストの尾張正博氏とF1ライターの米家峰起氏が占う!
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F1マルチジャーナリスト 尾張正博氏
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F1ライター 米家峰起氏
◆2013年 F1開幕直前予想対談【後編】
⇒【前編】はコチラ
――去年は開幕から7戦連続で異なる優勝者が誕生して、シーズン中の勝者は8人を数える稀に見る超混戦のシーズンでした。今年は去年と規則はほとんど変更ないですね。
米家:タイヤ以外は。
尾張:ピレリは今季型タイヤを全体的に軟らかくしたんです。ということは、タイヤの磨耗による性能低下が去年より激しくなるということ。
――タイヤ交換の回数が増える?
米家:ピットストップの回数を増やし、なおかつ1レースに持ち込む2種類のドライタイヤの性能差(タイム差)を去年より大きくして、面白くしようという意図。
尾張:ピットストップの回数が増えれば、それだけ不確定要素が多くなるから、レース戦略がより重要になってくる。
――タイヤ交換は3~4回?
米家:去年より1回増えるかどうかだと思います。それが今年のF1の見どころのひとつ。シーズン前のテストではピットストップの練習をバリバリやっているし、ドライバーに停止と発進を知らせるピットシグナルも各チーム新しくバージョンアップしてきた。
尾張:ピットシグナルは、人間だけでやるよりはロスもミスも少なくしてコンマ1秒でも稼ごうというシステム。勝敗を左右するピット作業の必須アイテムのひとつなんですよ。
――去年でさえタイヤ交換の静止時間は驚愕の2秒台に突入しました。
米家:去年はマクラーレンが2.31秒という最速タイムを叩き出しています。
尾張:機械的なこと以外にも、マクラーレンからメルセデスに移籍したハミルトン、そのマクラーレンに移籍したペレス。この2人がどうなるのかも興味深い。
――開幕直前時点の勢力図は下記表を参照(侃々諤々の議論は省略)していただくとして、今年も去年同様、超接戦ということですね。
米家:トップから4チームは団子状態ですよ。
尾張:レッドブルが相変わらず速いけど、安泰ではない。ライバル勢には可能性を秘めたチームがあるから。なかでも潜在能力の高さと開幕までとシーズン中の伸び代を考えると、マクラーレンは不気味。
米家:マクラーレンが大化けしたら、バトンとペレスのチームメート同士のチャンピオン争いもあり得ますね。
尾張:僕はバトンとライコネンの争いになると読んでいます。
尾張正博&米家峰起“責任”監修<開幕直前時点勢力図2013年F1新車“速さ”ランキング>
― 今年のF1は大接戦!?【2】 ―