花見代行業者「景気がいい建築大手の依頼が好調」
花見シーズン。桜を見ながら、お弁当とお酒をいただくのが春の醍醐味である。しかし人気スポットの場所取りは熾烈をきわめる。当日に場所を取ろうと思っても、ほとんど桜の見えない場所や、ゴミ捨て場の隣などしか確保できずに、ガッカリするのがオチだ。そこで毎年活躍するのが、場所取り代行業者というわけだ。
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「桜の季節は、場所取り代行の一番の稼ぎ時です」
そう語るのは、代行サービス「孫の手」の代表・佐々木久史氏。例年、都内でも屈指のお花見スポットである上野恩賜公園のベストスポットを、なんと30メートルも確保した。
特に、今年は例年よりも桜が咲くのが一週間ほど早かったため、慌てて場所取りを始めた。しかし、花が咲いたにも関わらず、以後、曇りで薄寒い天候が続いた影響で、訪れる客足は現時点であまり伸びていないという。
「確かに、例年に比べ、個人の客の依頼は少なくなっています。ただ、企業のお客様は相変わらず好調です。一番多いのは建築関係ですね。景気も良くなってますから、多少、天候が悪くてもパーッと花見でもしようという気分になるのでしょう」(佐々木氏)
数十人の団体が席を取るとなると、代行料も数万円になる。ただ、新入社員に場所取りをさせて業務を停滞させるよりは、お金を払っても業者に頼んだほうがよいと、企業は考えるのだろう。
ただ、その場所取りだが、どのようにして行うのか?毎日桜の下で寝泊まりを続けるとか?
「そうですね、目を離すと勝手に場所を取られてしまいますから、夜はずっと寝袋で寝ています。今年は公園管理事務所の対応も厳しくて、人が見張っていない場所は警備員がどんどん席取りのブルーシートをはがしてしまうんです。だから常に見張ってないといけません」
しかし、これだけ大きな場所を独占しているということで、トラブルは起きないのだろうか?
「深夜は、酔っ払った学生やサラリーマンにケンカを売られることもありますけどね。ただ、たいていは話しているうちに丸く収まります。逆に友達になることも多いですよ。お酒や食べ物の余ったものをもらったり。花見の期間中に逆に太っちゃいましたよ(笑)」
今年の花見ももう終盤。ちょっと贅沢に業者に依頼してみるのもあり?
取材・文/村田らむ 取材協力/代行サービス「孫の手」(ハッシュタグ