MLB日本人所属チームを分析【ブルワーズ&マリナーズ編】
チームの先鋒として青木宣親選手の活躍するミルウォーキー・ブルワーズ、登板ごとに素晴らしい投球を見せている岩隈久志投手を擁するシアトル・マリナーズ。現在両球団とも5割以下に沈んでいるが、彼らがプレーオフでも活躍する姿を見ることはできるのだろうか。
<ミルウォーキー・ブルワーズ編>
◆青木は好調も、打高投低のチーム
先日、2日間の「産休」を取って第二子が誕生したブルワーズ青木選手。6月25日現在で打率.292と本人は好調だが、チームの方は32勝43敗、シカゴ・カブスとナショナル・リーグ中地区最下位を争っている。だが打線を見れば23歳のジーン・セグラ遊撃手、27歳のカルロス・ゴメス中堅守、29歳のライアン・ブラウン左翼手が3割以上を打っている。チーム打率.260はナ・リーグ5位、中地区ではセントルイス・カージナルスに次いで2位。
ところが投手陣を見ると、チーム防御率は4.23とナ・リーグ最下位。失点は最悪のコロラド・ロッキーズに次ぐワースト2位の347点、トップであるアトランタ・ブレーブスは267点と、80点もの差がある。
◆年俸総額はヤンキースの半分。金満球団に対抗するには
メジャーリーグ30球団の中には、ニューヨークやロサンゼルスのような大都会を本拠地とし、人気がありファンも多く収入の多いチームと、ブルワーズのように地方都市を本拠地とする、あまりお金のない球団とがある。昨年のチーム全体の年間給与額を見れば、最低のサンディエゴ・パドレスは5,524万ドル(約54億円)、最高のニューヨーク・ヤンキースは1億9,796万ドル(約194億円)と、ほぼ4倍という差がある。
昨年のブルワーズは10番目だが、総額9,765万ドル(約96億円)と、ヤンキースの約半分。お金のないチームがお金のあるチームに対抗するには、まず給料の安い若い選手を育てる。同時に、スター選手ではなく年俸が高過ぎない、チームに必要な能力を持った選手を集める。そして若い選手がスターに育ち高額な年俸が必要になったら、トレードに出してまた若い選手や、スターではないが役に立つ選手を集める。要するに、ジェネラル・マネジャーの腕の見せ所ということだ。
◆弱小チームのなかでの青木の役割
現在の状況を見れば、ブルワーズが今季ペナントレースに絡んでいくというのはかなり難しい。だが前にふれたように、若手選手が育ってもいるので、ブルワーズが近い将来を見据えてのチーム作りをするなら、青木選手がそこで重要な役割を果たすことも大いに考えられる。
もう1つの可能性としては、ブルワーズが今季を完全にあきらめて、将来性のある若手や足りないポジションの選手を獲得するために青木選手をトレードに出すということ。青木選手の今季125万ドル(約1億2,250万円)という年俸はチームへの貢献度を考えると十分におトクな上、来季契約のオプションもある。お金のない球団はスター選手をかき集められないから常に不利ではあるが、そういうチームが活躍してこその面白みというものもある。トレードに出されなければ、青木選手にはぜひこのチームの大黒柱の一人となって活躍し続けて欲しい。
ところでブルワーズといえば試合の途中にグラウンドで繰り広げられる(野茂選手も登場した)ソーセージ・レース(ドイツ風、イタリア風、ホットドッグなど各種ソーセージのかぶりものたちが出場する競走)で有名。ミルウォーキーを訪れることがあれば、是非球場に足を運んでみて下さい。
⇒【動画】「ソーセージ・レース(時には転ぶこともあります)」はコチラ
https://nikkan-spa.jp/466862
<シアトル・マリナーズ編> ◆「カネなし」マリナーズの悲しい現状 ブルワーズ同様、「お金がない」組に属するマリナーズ。昨シーズンはついにイチロー選手も放出し、若返りを図ったが、チームの立て直しはまだまだ先が長そうだ。6月25日時点で34勝44敗、ア・リーグ西地区では今季から新加入の(昨季までナ・リーグ中地区だった)ヒューストン・アストロズがシーズン前の予想通り最下位を爆走してくれているのでマリナーズは最下位こそ免れているが、5割の壁を越えそうな兆しは今のところない。チーム防御率はア・リーグ9位の4.16、チーム打率はア・リーグ最下位の.236。 ◆トレードの可能性も。岩隈の今後は? そんなマリナーズの希望の星は、メジャー屈指の好投手であるエース、フェリックス・ヘルナンデス投手。今季は8勝4敗防御率2.71、昨年8月には完全試合達成。毎年のように2ケタ勝利、年間先発30試合以上、投球回数200イニング以上を達成している。そして2番手を任される岩隈投手が、現在7勝3敗防御率2.26。 頼れる先発投手陣は、強いチームを作るためには絶対必要だ。だから、マリナーズが今後ヘルナンデス、岩隈両投手を中心にチームを立て直すつもりなら、それはそれで素晴らしい。だが岩隈投手のような頼れる先発投手は、多くのチームが喉から手が出るほど欲しがっている。もしペナントレースが白熱してくる7月中に岩隈投手がトレードされるとすれば、それは優勝を狙えるチームに移るということだ。そうなればメジャーリーグのプレーオフという晴れ舞台で岩隈投手の活躍を見ることができるかもしれない。 <取材・文/NANO編集部> 海外サッカーやメジャーリーグのみならず、自転車やテニス、はたまたマラソン大会まで、国内外のスポーツマーケティングに幅広く精通しているクリエイティブ集団
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<シアトル・マリナーズ編> ◆「カネなし」マリナーズの悲しい現状 ブルワーズ同様、「お金がない」組に属するマリナーズ。昨シーズンはついにイチロー選手も放出し、若返りを図ったが、チームの立て直しはまだまだ先が長そうだ。6月25日時点で34勝44敗、ア・リーグ西地区では今季から新加入の(昨季までナ・リーグ中地区だった)ヒューストン・アストロズがシーズン前の予想通り最下位を爆走してくれているのでマリナーズは最下位こそ免れているが、5割の壁を越えそうな兆しは今のところない。チーム防御率はア・リーグ9位の4.16、チーム打率はア・リーグ最下位の.236。 ◆トレードの可能性も。岩隈の今後は? そんなマリナーズの希望の星は、メジャー屈指の好投手であるエース、フェリックス・ヘルナンデス投手。今季は8勝4敗防御率2.71、昨年8月には完全試合達成。毎年のように2ケタ勝利、年間先発30試合以上、投球回数200イニング以上を達成している。そして2番手を任される岩隈投手が、現在7勝3敗防御率2.26。 頼れる先発投手陣は、強いチームを作るためには絶対必要だ。だから、マリナーズが今後ヘルナンデス、岩隈両投手を中心にチームを立て直すつもりなら、それはそれで素晴らしい。だが岩隈投手のような頼れる先発投手は、多くのチームが喉から手が出るほど欲しがっている。もしペナントレースが白熱してくる7月中に岩隈投手がトレードされるとすれば、それは優勝を狙えるチームに移るということだ。そうなればメジャーリーグのプレーオフという晴れ舞台で岩隈投手の活躍を見ることができるかもしれない。 <取材・文/NANO編集部> 海外サッカーやメジャーリーグのみならず、自転車やテニス、はたまたマラソン大会まで、国内外のスポーツマーケティングに幅広く精通しているクリエイティブ集団
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