旅行代理店はネット系と店舗型、どちらが信頼できる?
―[営業トークの裏側を暴露する]―
次から次へと発覚し続けている食品偽装やメニュー誤表示問題。中型のエビを“車エビ”と表示していたというホテル・旅館、飲食業界。だが、それ以外の業界にも偽装とまではいかずとも客に対しての「建前」と「本音」が存在している。日常生活のなかで否応なく接する営業マン。彼らの「建前」を駆使する営業トークは我々の脅威なのだ。カモにされないために必携となる、“敵”の手の内を業界関係者がここに明かす!
<旅行代理店>
※建前指数…現場での使用頻度の高さを営業マンの証言から編集部が算出
安さを売りにしたネット系旅行代理店に対して、店舗型では客の不安を煽ることで活路を見いだす。
◆【表】安全にご旅行のためには……
◆【裏】まあ、トラブルが起きたときはどうしようもないんだけどね(建前指数90)
「話だけ聞いてネット系の代理店を利用したりするつもりの人にはともかく不安を煽るに限ります。ネット専業よりもやはり顔が見えるほうがトラブルのときにちゃんと対応してもらえるイメージがあるのでそれを最大限利用して成約まで持ち込み、さらに高めのホテルとかガイド付きのプランまで乗っけます(笑)」(44歳・中堅旅行会社)
年配に限らず、旅慣れした一部を除けば、若い人でもかなりの割合で傾くという。もっとも「実際にトラブルが起きたときにできることは限られている」そうなので、特にリアル店舗が信頼できるわけではない。
◆【表】オプションプランを付けるとより旅が充実しますよ
◆【裏】もう少しお金を落としてください(建前指数73)
「『3泊5日でヨーロッパ8か国を回りたい』や『2泊3日で北海道一周』とか物理的にムリなリクエストをするお客さんは意外と多いですね。せっかく取れた休みにいろんな場所を巡りたいって気持ちはわかるけど欲張りすぎ。オプションをたっぷりつけてお金を落としてくれるのが理想ですが、こういった無謀な要求をしてくる人はどこでヘソを曲げるのかわからないので、まずは成約を目指します」(35歳・大手旅行会社)
◆【表】一応、空席があるか確認してみますね
◆【裏】確認するポーズしますね(建前指数68)
「本当は満席や満室と即答もできますが、『本当に調べたのか!』って立腹するお客さんもいるので一応調べるわけです。実際、ごく稀にキャンセルが出て、手配できる場合もありますがまずムリですね。ただ、ここで親身になって確認するポーズをとって時間をかけることで、こちらから別のプランを提案したときに前向きになってくれる確率が上がります」(37歳・大手旅行会社)
「親身の対応」も、実は相手のペースに乗せられているだけにすぎない。
そのほかにも……
◆【表】もう少し予算を増やせるならご案内できるプランがあるのですが……
◆【裏】予算が足りねーんだよ(建前指数84)
◆【表】ご旅行の計画の参考にしていただければ幸いです
◆【裏】冷やかしならもう来ないでくれ(建前指数77)
◆【表】申し訳ありません。ツアー代金の値引きはちょっと……
◆【裏】いや、基本ムリだから(建前指数86)
◆【表】本当に宿泊の手配だけでよろしいですか?
◆【裏】ケチ(建前指数55)
イラスト/西アズナブル
― 営業トークの裏側を暴露する【4】 ―
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