更新日:2013年11月20日 16:30
仕事

冠婚葬祭業者の“巧みな営業トーク”の裏を読む

次から次へと発覚し続けている食品偽装やメニュー誤表示問題。中型のエビを“車エビ”と表示していたというホテル・旅館、飲食業界。だが、それ以外の業界にも偽装とまではいかずとも客に対しての「建前」と「本音」が存在している。日常生活のなかで否応なく接する営業マン。彼らの「建前」を駆使する営業トークは我々の脅威なのだ。カモにされないために必携となる、“敵”の手の内を業界関係者がここに明かす! 冠婚葬祭,業界裏情報<冠婚葬祭> ※建前指数…現場での使用頻度の高さを営業マンの証言から編集部が算出  日常生活においては関わることが稀な冠婚葬祭。当然、先方は客側の経験不足と冷静さを欠いた精神状態を突いてくる。 ◆【表】本当に挙式だけのプランでよろしいですか? ◆【裏】なんとかして披露宴まで持ち込めないかな……(建前指数82) 「結婚式場にとって一番オイシイのは披露宴。挙式だけの格安プランなら5万円前後からあるのですが、利益はほとんど出ません。一方、披露宴まで行うと平均300万~350万円で、出席人数や演出次第では500万円や1000万円以上になることもあります」(30歳・結婚式場スタッフ)  こうして「挙式だけ希望のお客さん」との会話の端々に、披露宴まで持ち込める可能性を探る。 ◆【表】もちろん衣装はご自身での手配も可能です ◆【裏】保管料の名目でお金をもらうけどね(建前指数66)  とはいえ、どう転んでも式場側はしっかりと儲けられるようになっているのは間違いない。 「ウエディングドレスは式場で手配できますが、最近ではご自身で用意されて持ち込む新婦さんも多いんです。それでは全然利益にはならないため、“保管料”という名目でお金をいただいている式場が多いんです。披露宴のお色直しあとのドレスも預かったりするので、トータル5万~10万円にはなります。商売としてはボロ儲けです(笑)」(32歳・ウエディングプランナー)  こうして最初は10万円以下だった格安プランもさまざまな費用を乗っけていき、最終的には式場側はしっかりと利益を回収する。 冠婚葬祭,業界裏情報◆【表】このたびは心からお悔やみ申し上げます ◆【裏】毎度あり!(建前指数75) 「亡くなった方への敬意はもちろんのこと、『数ある業者から弊社を選んでくれてありがとうございます』との感謝の気持ちもあります。葬儀屋にとってこの言葉にはいろんな意味が込められているんです」(40歳・葬儀屋経営者)と言われても客の立場としては複雑。 ◆【表】最後のお別れですので、お人柄に合った祭壇や棺を ◆【裏】なるべく高いやつにして!(建前指数90) 「喪主が若い方だと、お金を持っていても安いって理由で簡素な祭壇や棺を選ぼうとするケースが多いんです。社会的にそれなりに地位のあった方には、相応の礼儀をもってお見送りするのがマナーなんですが……」(葬儀屋社員・33歳)と講釈を述べられたところで、こちらとしては従う義理はない。  そのほかにも…… ◆【表】一生に一度のことですので ◆【裏】高いドレスにして!豪華な食事にして!たくさん人を呼んで!(建前指数74) ◆【表】本日、新郎様は? ◆【裏】打ち合わせに来ないとかあり得ないでしょ。大丈夫?(建前指数57) ◆【表】できる限りご要望に沿うようにいたします ◆【裏】注文はほどほどでお願いします(建前指数54) ◆【表】ご予算的には密葬が一番少なく済みます ◆【裏】それじゃウチの儲けが少ないんだけど(建前指数83) ◆【表】参列者は何人くらいを予定していますか ◆【裏】多いほうが儲かりますのでお願いします(建前指数62) イラスト/西アズナブル ― 営業トークの裏側を暴露する【5】 ―
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